稲葉とサラスという組み合わせを聞いて、ギターが前面に押し出されたハードなサウンドを想像していた方も多いのではないでしょうか。

しかし「AISHI-AISARE」はEDM色の強いダンサブルなナンバー。

サラスに関しては、ロックなリフやサビでのお洒落なコードワークなど、ギターメインの曲でなくても1音1音からセンスが伝わってきます。

ギターヒーロー的な側面というよりは、セッションマンとしての匠の技を垣間見ているような印象ですね。

対する稲葉は、メロはロックにサビはとびきりポップにといった感じ。

それぞれ違ったイメージで見事に歌い分けているわけですが、歌の幅の広さはサラスもお墨付きのようですよ。

稲葉浩志でもスティーヴィー・サラスでもないサウンド

サラスはアルバムの制作に際して「え?稲葉浩志が歌ってるの?」と言われるようなものを作りたかったとのこと。

これは稲葉だけではなくお互いに言えることですが、普段やっているのと同じようなことをやるのなら、この二人である必要がないのです。

普段の稲葉浩志でも、スティーヴィー・サラスでもないサウンドを目指したというこの作品。

二人が合わさって新しいものが生まれるからこそ、タッグを組む意味というのも生まれてくるのではないでしょうか。

歌詞を解釈!若々しいテーマに稲葉は何を歌う?

今回歌詞に関しては日本語で歌っているに関わらず、サラスへのその内容の説明はほとんど行われていないといいます。

それでも、演奏との兼ね合いや言葉の響きから、サラスが聴いていて「違うな」と感じたところは遠慮なく指摘したとのこと。

これは単純にリズム感的なこともあるのですが、日本語がわからずともなんとなく伝わるものもあるということです。

外国人と話をするときなど、言葉はわからなくてもニュアンスで伝わるときってありますよね。

なんらかの感情があってその言葉が生まれているわけなので、その感情を元に通じている部分というのがきっとあるのでしょう。

AISHI-AISARE」は「告白を後押しするようなラブソング」だという話もありました。

若々しいそのテーマにどんな歌詞が綴られているのか、ここから見ていきましょう!

包み隠さない関係だからこその揉め事

僕と君 さだめの2人
喜怒哀楽とか天井シラズ
たまにキズ 言葉が暴走して
取り返しがつかなくなる

出典: AISHI-AISARE/作詞:稲葉浩志 作曲:Stevie Salas

「喜怒哀楽とか天井シラズ」という言葉は、二人がいろんな面を見せあえる隠し事がない様子を想像させます。

恋人とは言えども、全て見せられる相手なんてそうそう居るものではありません。

二人はまさに運命の相手と言ったところでしょうか。

しかし、なんでも見せあえるというのもまた一長一短。

包み隠さないからこそ傷つけてしまう一面もあるということがここでは描かれています。

他に好きなものなどない
君がいれば全てオーライ
どうかいつまでもここにいてほしい
自分勝手ならごめんなさい
無我夢中で取り戻したい
春の陽のように優しい感触

出典: AISHI-AISARE/作詞:稲葉浩志 作曲:Stevie Salas

この部分から察するに、二人は別れてしまったのでしょう。

別れてみて「他に好きなものなどない」と、主人公は彼女の存在の大きさを痛感させられたのです。

そしてなんとしてでも彼女を取り戻したいという気持ちがその後に続きます。

「春の陽のように優しい」という言葉が、彼女が安らぎをくれていたことを感じさせますね。

人は愛し合うために生まれる?

愛し愛され生きる 愛し愛され死ぬ
愛し愛され生きる 愛し愛され死ぬ

出典: AISHI-AISARE/作詞:稲葉浩志 作曲:Stevie Salas

「生きる」「死ぬ」という重い言葉が、人生において恋愛がいかに重要かということを物語ります。

人が愛し合い子孫を残して後世に繋いでいくことを考えると、「人は愛し合うために生まれる」と言っても過言ではなく感じますね。

ある日急に無くなってしまうことの虚無感

欲しい物 見つけたら
がむしゃらに突き進む
必死の思いで手に入れた宝が
いつしか重くのしかかる

出典: AISHI-AISARE/作詞:稲葉浩志 作曲:Stevie Salas

主人公はきっと必死の想いで彼女の心を射止めたのでしょうね。

ここで描かれているのは「必死で手に入れたからこそ、失くすのが怖くなる」ということ。

強い想いを持って必死で追いかけていたものが、ある日急に無くなってしまうことを考えるとその虚無感は計り知れません。

これは恋愛だけに限らず、夢を追う人などもそうでしょう。

「燃え尽き症候群」という言葉もよく耳にします。

1番悲しいことは