日常の幸せを歌った折坂悠太「朝顔」
月9ドラマ『監察医 朝顔』主題歌!
気づけば頭の中で反射を繰り返しているあの声。
折坂悠太の「朝顔」をつい口ずさんでいた、という方も多いのではないでしょうか。
月9ドラマ『監察医 朝顔』の主題歌として書き下ろされた「朝顔」。
一聴しただけで耳から離れない声とメロディが心を打ちます。
その歌詞も実に美しく“詩”という言葉がピッタリ。
大切な人を失いながらも、胸に生き続ける愛情を糧に、懸命に生きていこうとする主人公を描いています。
今生きていること、幸せな日常は決して当たり前ではないことを教えてくれる楽曲です。
MVもチェック!
折坂悠太のYouTubeチャンネルには「朝顔」のMVが公開されています。
物憂げな表情で歌う折坂と、途中挟み込まれる色が混ざり合うシーンが印象的。
映画のような質感のフィルムと相まって、哀愁感が漂っています。
君とはもう会えない場所にいる
ねえ どこにいたの 窓辺には空白んで
僕につげる 「また巡り逢うよ」と
出典: 朝顔/作詞:折坂悠太 作曲:折坂悠太
「朝顔」は“日常の幸せ”を歌った僕と君の物語。
僕は、君と会えなくなってしまったようです。
それも突然に。
さよならの言葉も言えないままに、離れ離れになってしまいました。
君の居場所さえ分かっていれば、こんなことにはならなかったという後悔が僕を追い詰めています。
君がいなくなり空っぽになった心は、淋しさでいっぱいに。
まだこの現実を受け入れられていないのでしょう。
ぼんやりと窓の外の景色を眺めながら、君が帰ってくることを待ち望んでいます。
最後の言葉は自分に言い聞かせているようです。
孤独や切なさ、無念な感情が伝わってきます。
日常が当たり前じゃなくなった
真新しい街に 海鳴りがきこえて
手を振る誰かが 笑っている
出典: 朝顔/作詞:折坂悠太 作曲:折坂悠太
君がいなくなった今。
2人で過ごしたこの街も、もはや日常の風景ではなくなってしまいました。
いつも君が座っていたベンチにその姿はなく、むしろ毎日が新鮮に思えて。
何にも手がつかず、この街に残ったのは、君を失ったという喪失感のみです。
そして最後の行。
誰かの姿はハッキリと見えず、表情だけが読み取れるようです。
この誰かとは君のことではないでしょうか。
もう会えないあの笑顔を、海の向こうに思い浮かべて。
君には笑っていて欲しいのに、僕の目には涙を浮かべる姿が想像できます。
あの日言えなかったお別れ
この歌詞はもう1つの解釈ができます。
2人が会うことができなくなってしまった理由、それは君がもうこの世にはいないからではないでしょうか。
“母なる海”という言葉があるように、海は命の源としてよく例えられます。
その海の音とともに、君はあの日言えないままでいたお別れを告げに来てくれたのです。
僕は君がいなくなってから、何度も何度も自問自答を繰り返したことでしょう。
「なぜあのとき側にいられなかったのか」「なぜ助けに行けなかったのか」
眠れない夜が続きました。
そんな僕に対して「あなたは悪くないよ」と、君は微笑みかけてくれたのではないでしょうか。
毎日が愛おしかった
ここに 願う 願う 願う
君が朝を愛するように
ここに 願う 願う 願う
その庭を選び今に咲く、花!
出典: 朝顔/作詞:折坂悠太 作曲:折坂悠太
君は朝が来ることを毎日楽しみにしていました。
その姿は朝顔のように瑞々しく、力強かったことでしょう。
毎日が充実していて、夜眠るときには「早く明日が来て欲しいね」。
そんな言葉を交わしながら、2人は生活していました。
しかし君がいなくなった今、僕は夜も眠れなくなって。
毎日が怠惰なものへと変わってしまいました。
歌詞の最後の花とはタイトルである「朝顔」のことなのでしょう。
朝顔の花言葉は“愛情”。
あの頃、2人で明日を待ちわびていたように。
毎日が愛おしかったように。
君と会えることを心から待ち望んでいると歌っているのです。
君からもらった愛情は枯れることなく、今も胸の中で咲き続けていることでしょう。