妖精帝國「filament」
2012年2月8日にリリースした15thシングル
「filament」はアニメタイアップのカリスマともいえる妖精帝國が2012年に発表したシングルです。
スローテンポな楽曲で、重厚感のある音が魅力です。
「filament」とは、いろんな意味があるのですが、MVなどを見る限りでは「繊維」や「細紐」の意味で使っているのではないかと思います。
また、この「細糸」が何に例えられているのかは、歌詞を紹介するので読み解いてみてくださいね!
カップリングに収録されているのは、「絶望plantation」です。「filament」と違ってアップテンポで熱いロック曲となっています。
初回限定盤と通常盤の2種類があり、初回限定盤には「filament」のMVが収録されたDVDがついてきますよ!
「filament」のMV
まるで操り人形のように全身とひもがつながっていますね。
まさにタイトルの「filament」をイメージさせるMVになっています。
このほかにもサーカスの綱渡りのようにゆいが空中に浮いたロープの上を歩いていく姿も映し出されています。
命綱なしの綱渡りは、落ちたら終わりの一発勝負です。
途中では、時間を示す砂時計や時計に細い糸が括りつけられており時の流れとかかわりを持っていることを伝えています。
ここにある様々なヒモはただのひもではなく、人が歩んでいくうちに紡いでいく道や人生を例えたものなのかもしれません。
アニメ「未来日記」の後期エンディングテーマ曲!
「未来日記」ってどんなアニメ?
この「filament」はアニメと密接なかかわりがあるのでこちらを紹介しないわけにはいきません。
2011年10月から放送されていたテレビアニメ「未来日記」は、気弱な主人公・天野雪輝が未来の出来事が書かれているという「未来日記」を手に入れたことで始まります。
手に入れるというか、自信で記録していたもの(携帯やボイスレコーダーなど)に勝手に入り込んできたものなんですけどね。
ちなみに、将来自分の身の回りで起こるであろう未来を見ることが出来る人物は主人公を含めて12人いるのですが、なんとその12人の所有者同士で”神の座”をかけて戦わなくてはいけなくなるのです。
未来日記に書かれている通りに行動すれば、同じ未来が訪れるのですが、もし不利な未来が先に描かれていた場合には違う行動をして避けることできるんです。
ただ、本来起こるべきことが起こらないために、時空のゆがみが出てしまいほかの所有者に気付かれるというデメリットもあるんですね。誰かに日記が破壊されると消滅するという命を懸けたサバイバルゲーム。
気弱な性格である主人公が、奇しくも”殺人ゲーム”に参加する羽目になり、それでも周りの協力を得ながら立ち向かっていく姿は目が離せません。
こういう緊張感あふれる展開は、妖精帝國の楽曲とすごくマッチしますよね。
このアニメのオープニングテーマ「空想メソロギヰ」も妖精帝國が担当しているんですよ!
実は・・・ある登場人物の目線で描いた歌詞
実はこの歌詞、明瀬或が主人公・天野雪輝を思って歌っている歌なんですね。
明瀬或とは「未来日記」のなかの登場人物の一人でパーフェクトボーイなんです。成績も優秀、顔もいい!
男性キャラクターの中では王者と呼べるくらいの人気なんですね。
しかし、残念なことに彼の想い人は「天野雪輝」なんです。
この関係性を知った上で曲を聴いてみるとまた違った印象になるのではないでしょうか。
「filament」の歌詞をチェック!
切ない思いに身を焦がす。
あとどれくらい失えば 高鳴る鼓動許される?
会いたくて涙
溢れるよ
全ては未来を繋ぐ鍵
崩れる身体に絆感じて
もう一度君を守ると誓う
信じ合えると言うのなら ただ一つだけ伝えたい
最後まで君を
愛すると
全ては君へと還る為
切なくて焦がす胸に響いた
優しい嘘と叫びの filament
出典: filament/ 作曲:橘尭葉 作詞:ゆい
冒頭から流れるゆいの呪文が、不気味な雰囲気をさらに生み出していますよね。
この冒頭で何をいっているのか気になって調べてみたのですが、作詞者のゆいが言うには「妖精語」のため、人間界のわたしたちにはわからないようです。
残念!
男性が男性を好きになるということが罪深いと本人も想っているのかもしれません。だから、認めてもらうために今の自分が持っているものを捨てる覚悟があることが分かりますよね。
それはアニメでの行動でもわかります。天野雪輝のために、未来日記をめぐるサバイバルゲームに飛び込んでいった明瀬或。
一つのこのサバイバルゲームに飛び込むというだけでも、多くの安全や幸せを捨てているのです。
しかし、その犠牲を払っても君を愛するという気持ちを抑えられないのでしょう。
小さくてもいい。君とのつながりを切らさない細い糸が明瀬或にとっての全てです。