妖精界から人間界へ現れたヘヴィメタルバンド

Astral Dogma(妖精帝國)は◯◯を描いた曲?!歌詞に秘められた意味を徹底解釈!MVあり♪の画像

アニメタイアップを多く手掛けるグループ

楽曲だけでなく、バンドとしても独特な世界観を貫きながら活動をしているヘヴィメタルバンド妖精帝國

メンバーは全員妖精なんです。彼女たちが住んでいる「妖精帝國」は現在衰退の一途をたどっています。その原因は、人間が妖精の存在を信じなくなったため。

だからこそ、音楽を通じて人間たちに”妖精”の存在を思い出させようと結成されたバンドなんですね!

正式には「妖精帝國第参軍楽隊」で、普段は略名で活動しています。

ボーカルと作詞を担当しているのは、妖精帝國の皇女であるゆい。年齢は325歳を超えているそうです。ということは、デーモン閣下の方が年上ということですな。

ギターやキーボード、作曲などを手掛けている橘尭葉は、少尉だった階級が大尉になるなど、貢献度によって昇格などの制度も取り入れているようです。

1stシングルは2006年3月8日にリリースされた「あしたを許して」。この頃からすでにタイアップ曲となっており、タイアップ曲数はなんと39曲もあるんです。

特にPS3ゲームや、アニメなどが多く、独特な世界観が見事にマッチしているんです。

思わず身体でリズムを刻んでしまう躍動感の激しい楽曲は、一度聴いたら虜になること間違いなしですよ!

妖精帝國「Astral Dogma」

Astral Dogma(妖精帝國)は◯◯を描いた曲?!歌詞に秘められた意味を徹底解釈!MVあり♪の画像

2013年3月27日にリリースされた4thアルバム収録曲

今回ご紹介する「Astral Dogma」は4thアルバム「PAX BESANIA」の2曲目に収録されている楽曲です。

タイトルの「PAX BESANIA」はラテン語であり「狂気の平和」という意味があります。

妖精帝國の歴史書を見ていたゆいが、独裁者の恐怖政治ではあったものの妖精帝國に詠歌の時代があったことを知り、妖精帝國の亡者必衰の世界をモチーフに作成されたアルバム

打ち込みを出来るだけ排除し、可能な限り生バンド演奏しているのも見どころですね。

丁度人間界に降り立ってから15周年目となる年にリリースされた楽曲で、このアルバムからギタリストがもう一人加わったツインギター体制で行われています。

このアルバムは今までの楽曲よりもシンフォニック要素が込められた完全なメタルアルバム。

名曲で言えば11曲目に収録されている「空想メソロギヰ」です。これはアニメ「未来日記」の主題歌となった楽曲ですね。

13曲目に収録されている「機械」は、筋肉少女帯のカバーでもあります。

オリジナルと違った雰囲気が楽しめるので、一度聴いてみてほしい楽曲です。

”アカシックレコード”からイメージを膨らませた曲

で話がそれましたが、「Astral Dogma」は、アルバムのテーマをそのまま曲にしたような楽曲だとゆいが語っていました。

そのためMVも作成され、アルバムのリード曲となっています!

「Astral Dogma」はアカシックレコードからイメージを膨らませたんだそうです。

アカシックレコードとは、宇宙が誕生した時からたった今この瞬間までの全ての情報や記録を集めた宇宙のデータバンクと想像すれば分かりやすいかもしれません。

インターネットのように誰もがアクセスすることが出来るため、人間の予知夢などもそれに影響されていると考えられています。

一般的な人は無意識のうちにつながっているもので、意識的につなげることが出来る人間もいるんですね。その代表的なものが”霊視”です。

本人に見せていないのに、紙に書かれている数字が分かったり、言葉が分かったりするのも、そこにある情報を宇宙バンクから読み取っているからなんだそうですよ。

ゆいは、このすべてを記録しているデータバンクから、どのようにして妖精帝國が栄え、そして滅んでいったかを導き出し、この歌詞に込めたのでしょう。

「Astral Dogma」の歌詞を見ていこう

本質は腐った虚偽の繁栄

時は奏でる陰鬱な大時計蒸気の帳で 無我夢中
金塊を蓄えて聳える摩天楼で毎夜のマスカレード

錆びた真鍮に金箔を施した幻想の大都市は 崩れ堕ち
哀れ黄金期の代償と王女はこの世を嘆いた

虚栄で身体を飾り立てるロマネスク
焼かれて初めて裸になるの


出典: Astral Dogma/作詞:YUI 作曲:橘尭葉

最初に描かれているのが、栄えていた頃の妖精帝國の姿です。

ロンドン塔のような大きな時計で時を奏でながら、お金持ちの間では、毎晩毎晩、舞踏会を行うようなどんちゃん騒ぎが行われています。

本質である人間がさびて腐っているのに、それを見せかけだけで取り繕っている都市に永遠の繁栄なんてありえませんよね。

見栄を張って自分をえらく見せるためにお金を使うような人間たちだけでは続かないと王女は哀しむのです。

ロマネスクは教会などに使われる美術様式。自らを神になったように飾り立てたものが、繁栄の衰退とともにすべて失ってしまうと歌っているのです。

星座(ほし)からの啓示を読み解ければ
更なる世界へと導かれる

原初明かす記されたるコトバ 「終焉(おわ)るセカイ」
末路示す秘められたるコトバ 「興(おこ)るセカイ」

揺れる炎宇宙元素エーテル
虚空輪廻対のアカシャ
眠る生命(いのち)アストラルの幻影
リピカ綴る自己のイデア

出典: Astral Dogma/作詞:YUI 作曲:橘尭葉

ここの部分が、さっき言ったアカシックレコードのことでしょう。

啓示は悟り。宇宙にある同じような出来事を見てみれば、どんな未来が待っていたのかわかったはずなのに・・・という哀しみも読み取れますね。

終焉の先に新たな始まりがあり、栄え過ぎた世界には必ず終焉が待っている

日本人なら盛者必衰と同じ意味を持つのではないでしょうか。

無責任な父からの最後のメッセージ