では、この曲は一体どんなストーリーを持っているのでしょうか。
結論から書きますと、「世界を作り直す勇者たちの物語」ではないかと思われます。
勇者は一体誰かというと、もちろん「QUARTET NIGHT」の4人です。
悲劇に立ち向かう勇者たち
目的を見失わずに
I do not seek, I find
I do not seek, Forever
I do not seek, I find
I don’t seek, Let’s dance the FORCE LIVE
Ah…
出典: FORCE LIVE/作詞:植松範康(Elements Garden) 作曲:藤田淳平(Elements Garden)
印象的な英語の歌詞からスタートです。
まずは翻訳します。
「僕は探さない。見つけたんだ」
「僕は一度も見失わない」
「僕は探し求めない。辿り着いたんだ」
「僕は見失わない、さあ『FORCE LIVE』を踊ろう」
意訳すると上記のようになるでしょうか。
英単語「seek」と「find」は、一見意味が似ているように思えます。
しかし、よく調べるとニュアンスに違いがあるのです。
「seek」は「探し求める」「手に入れようとする」。
「find」は「見つけ出す」「辿り着く」という意味を持っています。
どちらかというと、「seek」の方は道に迷いかけているイメージを受けますね。
歌詞では「見つけ出した」と言っているので、4人が確かなものを見つけたと分かります。
襲いかかる悲劇
Crying
輝きすら漆黒の闇に
(行く手を覆い尽くす)
Crying
燃え尽くして残る焼け跡に
What is my road?
出典: FORCE LIVE/作詞:植松範康(Elements Garden) 作曲:藤田淳平(Elements Garden)
「cry」は「泣く」「涙を流す」という意味合いの単語です。
一時、希望が失われたことが歌詞から読み取れます。
それは4人によって、涙があふれるほど悲しいことのようでした。
最後の英文の意味は「俺の道は何だ?」
この「道」は、物理的な道よりも、精神的なニュアンスの強い言葉ではないでしょうか。
「先行き不安定」「進路」など、「道」に似た意味で将来を表す言葉もあります。
闇の襲来によって4人が落胆しているのは、目指していたものが失われかけたから。
それは心のよりどころのような、精神的に目指す場所なのでしょう。
Crying
Uh 空虚なハートへと吹き込む
(静かなざわめきが)
Crying
氷のような孤独ディストピア
止まったWorld clock
出典: FORCE LIVE/作詞:植松範康(Elements Garden) 作曲:藤田淳平(Elements Garden)
「静か」と「ざわめく」は、意味が矛盾しています。
なぜ並べて使われているのでしょう?
ここで表されているものとは、「心の声」「直感」だと思われます。
普段の私たちは、理性に従ってものを考えている時間の方が長いです。
しかし人間は、理性だけでは生きていけません。
「直感」「第六感」が役に立つ場面も多くあるのです。
人によっては、直感の力を無意識のうちに使っているかもしれません。
直感に耳を傾けるためには、周りを静かにしておく必要があります。
自分の周囲が雑音ばかりだと、理性がそちらに気を取られてしまうからです。
周囲を静かにした時に、心の中に浮かんでくるもの。
それが直感だったりします。
曲中の場面では、破壊を見て涙した主人公が直感を得ています。
喪失感で頭がからっぽになった、つまり理性が静かになったのでしょう。
また、「ディストピア」はユートピアの対義語です。
「理想郷」の対義ということで、日本語では「地獄郷」などと訳されることもあります。
闇の襲来によって平和が破壊され、世界が荒れ果ててしまった情景でしょうか。
最後の行では、「世界の時間が止まった」との表現もあります。
世界をよみがえらせる
神様が太陽にクチヅケをして
世界に歌が生まれたように
つらぬく衝撃 味合わせたい
集え
伝え
息吹け
強く
惹かれ合い
出典: FORCE LIVE/作詞:植松範康(Elements Garden) 作曲:藤田淳平(Elements Garden)
「QUARTET NIGHT」の4人が結集するような場面です。
少し神話的な言葉も見られます。
聖書では、神は万物を創造した存在として語られています。
そんな神を話題にしていることから、勇者4人も同じことを目指していると類推できます。
「三人寄れば文殊の知恵」ということざわもある通り、人は集まると強いのです。
新たな天地を想像する?
一つに束ねよう(一つになろう)
足りないエレメント(重ね合って)
4つの星4つの夢
歴史(ヒストリー)のキャンバスに描け
出典: FORCE LIVE/作詞:植松範康(Elements Garden) 作曲:藤田淳平(Elements Garden)
集まった勇者が、いよいよその力を解放するかのようです。
ここで出てくる「エレメント」とは、4元素のことを意味すると思われます。
4元素の考え方は、古代ギリシャやヨーロッパで広く受け入れられていました。
万物は火、水、土、空気(気)の4つの組み合わせでできているという考え方です。
ここで、「FORCE LIVE」のCDジャケットのイラストを見てみましょう。
「QUARTET NIGHT」の4人が、それぞれのテーマカラーを浮かべています。
よく見ると、火、水(氷)、土、空気の象徴に見えませんか?