又 性懲りも無く目指しちゃった
アナタからは 只 遠退く日々
先送りになる安らかな眠り

僅かな光に似た希望が
君の細胞に絡まった日から
一向に離れない
それだけ

出典: HALO/作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

夢に向かって再び進み始めた主人公。

1行目の歌詞から、少し自分に呆れている気持ちもうかがえます。

しかしそんな自分のことを、主人公は気に入っているようにも思えませんか?

「やっぱりこの夢をあきらめることなんて無理だった」という気持ちが伝わってきます。

夢を目指すために手放したのは、ぬるま湯や布団のように居心地のよかった日々。

どうしてわざわざ、平穏な日々を手放したのでしょうか。

それは「君の細胞」から「希望」が離れていかなかったから。

つまり夢をあきらめきれなかったからでしょう。

「HALO」の中に出てくる「君」や「アナタ」という表現は、主人公自身のことのように思えます。

主人公が自分のことを客観視して、「やっぱり進んでいくしかないよね」と言い聞かせているようです。

忘れてしまった「スランバー」

体は日増しに器用になって
心は間に合わなくって泣いてる
大人になって置き忘れたのは
軽やかなスランバー

出典: HALO/作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

このパートの歌詞を見たとき、とても胸に響く箇所がありました。

それは、「体」と「心」の距離感を表した箇所。

大人になるにつれて、「体」はどんどん成長していきます。

子どもの頃にはできなかったことも、たくさんできるようになりました。

しかしそんな「体」の成長に、「心」はついていけたでしょうか。

「体」は大人になっても、「心」は子どもの頃の夢を忘れられないまま泣いていたのかもしれません。

溶け込んだ社会の中で理不尽な思いをしながらも、がむしゃらに働く日々。

そんな生活をしているうちに「スランバー」すら忘れてしまったといいます。

「スランバー」とは、英語の「slumber」のことでしょう。

意味は「まどろみ」「眠り」

ちょっと立ち止まって一休みするという簡単なことでさえ、大人になると案外忘れてしまうもの。

そうした大事なものを思い出させてくれる歌詞ですね。

届かない「SOS」

相も変わらず世の中の丘で
簡単に花束を捨てる

毎日の様に願う事は
老い耄れた頃に会おう
SOS まるで届かないのは
一体 誰の法則ですか?

出典: HALO/作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

このパートで描かれているのは、主人公が今までいた日常でしょう。

世間には「花束」という夢を簡単に捨ててしまう人々がたくさんいます。

抱いている「願い」は大それたことではなく、お互い老人になったら再会しよう、というささやかなもの。

そんな「願い」を抱いている人も、心の奥にしまい込んだ夢があるはずです。

夢は「SOS」を発していますが、どこにも届きません。

その原因は、夢をあきらめている人自身にあるのではないでしょうか。

「SOS」が聞こえているのに、聞こえなかったふりをする。

主人公もきっと、かつてはそうした日常を過ごしていたのでしょう。

ここままでは終われない

このどうしようもなく永い夜が
巡り巡る程
頭の中 「やがて」「いずれ」ばかり
夢物語

出典: HALO/作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

夢をあきらめていた日々が「永い夜」という言葉で表されていますね。

「長い」ではなく「永い」という表現を使うことで、夜が永遠に明けないかのように思えます。

夢を叶えたいという気持ちがあっても、頭の中にあるのは「いずれ叶うはず」という消極的な考え

自分から行動を起こせないまま、夢はただの「夢物語」となっています。

サヨナラ以外の術を探して
生まれたままの純粋な体で
一生は終われない
それだけ

出典: HALO/作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一

そんな「永い夜」から抜け出そうとする主人公の気持ちが、歌詞に表れています。

主人公が探しているのは、夢と「サヨナラ」する以外の方法。

何もしないままの人生なんかで「終われない」と思ったから、主人公は再び夢を目指すのです。

傷ついても前に進め

代わりは一人も居ない舞台に
諦める事も許されないから
大人になった心の裏側
我が儘なスランバー

出典: HALO/作詞:猪狩翔一 作曲:猪狩翔一