君のすべてを守ってあげたい
心にはあの夏の蜃気楼
出典: ポラリスの涙/作詞:藤井敬之 作曲:藤井敬之
1行目の歌詞は文字通りですが、大人の世界へと踏み出した相手への想いが含まれているのでしょう。
また、彼女のこれまでの努力や夢への想いも含まれているのではないでしょうか。
これらすべてを守ってあげたいと主人公が考えたのには理由がありました。
あの夏の思い出
彼には、「君」との忘れられない思い出がありました。
その思い出があるかぎり、夢を追いつづけようと考えたのかもしれません。
しかしながら、彼の心の中にある思い出は歌詞でいうところの「蜃気楼」。
ないはずのものが見える、あるいはたとえそこにあったとしても、屈折して見えてしまう現象です。
それはつまり、儚い夢や幻のようなもの。
「守りたい」と思いながらも主人公にはすでに、自分達の行く末がわかっていたのかもしれません。
2人の行く先
今すぐ逢いに行けたら
心のままに君を抱きしめたいよ
あの日の二人のままの
誓った言葉で未来を照らそう
出典: ポラリスの涙/作詞:藤井敬之 作曲:藤井敬之
主人公はすぐにでも相手に逢いに行きたいのですが、それは叶いません。
2人はそれぞれの道を歩みはじめたからです。
想いを断ち切れない主人公が拠りどころとしたのは、やはり彼女との思い出でした。
彼は思い出の中の、ある言葉を思い出します。
それが4行目の言葉です。
それはどんな内容の誓いだったのでしょうか?
この時点ではわかりませんが、これは曲の後半で明らかになります。
月日は流れて
過ぎ去った後に
数えきれない夜を越えて
想いはいつか時を越える
燃え残るなつかしい君の声
出典: ポラリスの涙/作詞:藤井敬之 作曲:藤井敬之
「僕」と「君」がそれぞれの道を歩みはじめて、月日が経過していきます。
月日が過ぎ去っても、主人公は相手のことを忘れられません。
今頃、彼女はすっかり大人の色に染まっていると思われます。
しかしながら、あくまでも主人公は2人で夢を追いかけていたあの頃を思い出すのです。
記憶の中の彼女は、何1つ変わっていないのでしょう。
たとえ本物ではなくても
願い事がかなうのならば
もう一度 あの夏の蜃気楼を
出典: ポラリスの涙/作詞:藤井敬之 作曲:藤井敬之
あの頃の想いがまだあることを認識した主人公。
彼の心の中にある思い出はやはり幻です。
しかもいつでも見ることができるようなものではありません。
季節や気温など、あらゆる条件が重なったタイミングで見えるものです。
幻でもいいから、もう一度幸せだったあの2人の時間を過ごしたい。
見られるタイミングを待っているのでしょう。