また上記の歌詞の時、MVでは鏡の中に走り出している少女が映っています。
おそらく鏡の中に映っているのは現在の状態ではない、別の自分が映っているのでしょう。
では座り込んでいる姿が鏡に映っている時は、少女は前に進んでいる時なのでしょうか。
走り出している時かもしれませんが、過去の行動できなかった自分を思い出しているようにも感じられます。
少女の葛藤
止まらない 止まらない 何度ループする
逆さま 合図も見ないフリ
誰にも知られずに
見つけたい 見てみたい もうひとりの自分
目覚めたくない 夢を見てる Maybe Maybe Maybe
出典: 逆さまのLady/作詞:yuiko 作曲:堀江晶太
上記の1番サビの歌詞から今の自分から変わりたいと強く願っている少女の心情が読み取れます。
この歌詞に同調するように座り込んでいる少女と走り出している少女が出てきています。
ずっと座っている状態だけど、本当は前に進みたい。
上記の歌詞最後の方では座っている少女が細かく分割されているMVになっています。
このMVでは2つの心情の少女しか描かれていませんが、他にもたくさんの気持ちが混じっているのでしょう。
だから絶対前に進みたいとは言い切れないかもしれない。
中にはまだここに留まっていたいという気持ちも少なからず感じているのかもしれません。
そんな複雑で、でもこの現状に満足していない自分は確実にいる。
そんなごちゃごちゃした気持ちをMVと最後の英単語で表現しているようです。
信号の意味は?
MVの中でも何回か出てくる信号機。
これはどういった意味なのでしょうか。
MVの中では大体赤信号の点滅を繰り返しているようです。
このことからおそらく走り出している少女の気持ちの中はまだ不安でいっぱいなのかもしれません。
まだこの場に留まりたい気持ちがあるけれど、立ち上がったし前に進みたい。
そんなおっかなびっくりのような不安な心を持って、ゆっくり前進する。
赤信号の点滅は一旦止まってゆっくり進むという意味があります。
それぐらい慎重な気持ちで少女も前に進んでいるのかもしれません。
怖い気持ちもあるけれど、前に進む気持ちは抑えきれないから。
少女のペースで成長していこうという意味に捉えることができます。
幾何学模様の理由
三月のパンタシアのMVは幾何学模様を使ってイラストを繋いでる構成が多い傾向です。
幾何学模様は丸や三角形、四角形を使ってスライドさせたり拡大、縮小を使って作成している模様。
単純な図形を組み合わせているので無限に模様ができるといわれています。
その無限に同じものができることから少女の日々の生活を表しているのではないかと解釈することが可能です。
単純な図形でも等間隔で並べたら綺麗な模様に変身します。
それと同じように普段の生活も積み重ねることによってまた違った見え方ができるようになる。
これも少女が望んでいる少しずつ前に進むという意図に関連づけることができます。
少女が前向きになる瞬間
曲の後半ではMVの動きが少し変わっています。
特に2分40秒あたりからは曲の雰囲気も変わっており、何か少女の変化が感じられるシーンです。
最後のサビでは鏡の中で座り込んでいる少女から走り出す少女へと変化しています。
おそらくこの辺りで少女の気持ちが大きく変化し、前に進む決意ができたのでしょう。
モヤモヤと考えていたけれど動いてみなければ分からない。
吹っ切れた瞬間です。
それでも少し不安だけれども、怖くなったらまた座り込んで考えればいいのです。
そしたらまたいずれ走り出そうという気持ちが沸いてくるでしょう。
複雑な心情を色使いで表現?
「逆さまのLady」に限らず三月のパンタシアは色使いがカラフルで可愛らしい作品が多いです。
制作側の好みもあるかと思いますが、様々な色が使われていることで多くの考察をすることができます。
今回のMVに出てくる少女も口元が描かれていなくて、心情がイラストだけでは分かりません。
その点を背景やシーン変更の時の色使いで表現することで見ている人に様々な印象を与えることができます。
多感な思春期の時期の人物を表現するには最適な方法なのかもしれません。
タイトルの意味は?
「Lady」は貴婦人や淑女という意味があります。
今回ではあれば女の子と表現を変えた方がしっくりくるでしょう。
「逆さまの女の子」、タイトルだけ見ればいまいちピンときません。
しかし曲を視聴した後だとなんとなく納得できるでしょう。
少女の中には常に相反している気持ちが対立しており、日々モヤモヤとしている様子。
そんな対立している心情を「逆さま」と表現したのかもしれません。
「Lady」は「Ready」と発音がよく似ています。
「Ready」は準備という意味。
イラストの走り出している少女なんか、まさに「レディーゴー」と言ってしまいたくなるような雰囲気です。
そんなあべこべな気持ちだけど、頑張って前に進みたいという意志が感じられるタイトルになっています。