涙で綴り終えた お別れの手紙
涙で綴り終えた お別れの手紙

出典: 手紙/作詞:なかにし礼 作曲:川口真

この最後のリフレインに作詞家なかにし礼の恐るべき洞察力が現れています。

泣きながらも彼女は手紙を書きます。

書き終わります。

なんのために彼女は手紙を書き、なにを手紙に書いたのか。

中身は一切明らかにされません。

男性の心を繋ぎとめようと努力をし、尽くす女性。

泣くことも抗議することもなく、大人しく素直に男性の言うがままに別れる女性

そんな女性が、最後の最後に涙を流しながら「お別れの手紙」を書きます。

なかにし礼からのメッセージ

この最後のリフレインは「大事なことなので2度言います」と言われているようです。

男性に尽くす女性、男性に都合よく捨てられる女性。

彼女らは決してそのままでは終わらないというなかにし礼からの警告ともとれます。

男性の言いなりに生きているような、ふわふわしたイメージの「わたし」。

この最後のリフレインでそうではないかも?と気付かされます。

『手紙』を名曲にしているのはこのフレーズだと言っても過言ではありません。

彼女が書いた手紙にはどんなことが書いてあったのでしょう。

聴く人の心の中の『手紙』

手紙に何が書いてあったのかわからないこと。

手紙が彼の手に渡ったのか、渡らなかったのかわからないこと。

これこそが、この歌が40年以上もの間、人々に愛され続けてきた理由です。

この歌を聴いている人の中には、いろいろな人がいます。

手紙を書いた人書かなかった人書けなかった人もいるでしょう。

書いたけれど出さなかった人も。

人それぞれ、自分の心の中の『手紙』を思いながらこの歌を聴くことができるのです。

61歳の由紀さおりは?

最後に2009年由紀さおり61歳の歌唱を見てみましょう。

61歳とは思えないつややかな歌声です。

アレンジも変わってます。

しっとりと聴く別れの歌のはずなのに、会場から手拍子が起こってきます。

由紀さおりのステージングも会場を煽っているかのようです。

会場にいる多くの人が既に知っているヒット曲、それが『手紙』なのです。

自分も口ずさめる歌として楽しんでる様子が伝わってきます。

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引き続き、由紀さおり、なかにし礼の記事をお楽しみください。

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