ダメだったんだ 人類は
それは とうに とうに 手遅れで
どうなったって本能は
都合良く波長合わせていく
出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ
人間は生まれながらに誰もが醜悪だと諦めています。
もうどうしようもないと、ある種の悟りを開いてしまいました。
4行目の歌詞は、「僕ら」も本能に逆らえないので無意識に醜い人間と同じ行動をとっていくことを表しています。
1番のBメロでも描かれていたように、単なる恋愛ごっこを滑稽に思いながらも同じことをしていました。
汚れちゃった 感情に
心は もう 石のようで
求め合いの惨状に
もう 汚い 触らないで
出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ
あんなに滑稽で気持ち悪いと思っていた行動に、自分も巻き込まれていくのは耐え難い苦痛です。
ここでいう「石」とは、より一層人類に対する嫌悪感が増したという意味で使われています。
ただの恋愛ごっこにもう巻き込まないでほしいというのが、正直な気持ちでした。
そのため、近づかれることに強い拒絶を表しています。
他者の痛みに鈍感
他者の苦しみを娯楽として消費
悲しい話 さっきからもう
語りっぱなし どーゆーつもり?
茶化し 冷やかし 飽きたらもう
笑いは無し なんておかしい
出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ
現代社会では、誰もが他者の苦しみに無関心です。
他人がどれほど傷ついて悲しんでいたとしても、その苦痛には誰も関心がありません。
他人が苦しんでいるさまを面白がることさえあります。
昔から「人の不幸は蜜の味」という慣用句があるほど、それは人間として当たり前の習性でした。
そうやって他人の悲しみを娯楽として消費するだけ消費して、飽きたら見向きもしなくなります。
「僕」はそんな現代社会は間違っていると、繰り返し批判していました。
お互いに監視し合っている
形ばかり 気にしすぎて
まさに 敵(かたき) 見てるみたい
かなり やばい 頭の中
もう タラリ タラリ ドゥー パッパラパ☆
出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ
誰が苦しんでいるのか、誰が間違いを犯しているのか、毎日人のあらさがしをしています。
他人と常に同じことをしていないと、ますます不安になってくるようでした。
本来人間はお互い仲間のはずなのに、そうやってお互いを監視し合っているのはおかしなことです。
ですが誰もがそれをやめることができません。
3行目以降の歌詞は、欲望を制御できず本能のままに監視し合う思考を揶揄しているのでしょう。
インスタントな恋愛
そうさ僕らいつも欲に毒されては
手に入れてはすぐに飽きて放り出してさ
そしてまた次のおもちゃを見つけ言うんだ
「君しかいないんだ」
出典: ケッペキショウ/作詞:すこっぷ 作曲:すこっぷ
「僕ら」もついつい本能のままにインスタントな恋愛をしてしまいます。
誰かをとても好きになって熱烈に口説いたとしても、それは本当に愛しているからではありません。
「僕ら」がしているのはあくまで「愛」という名を冠した傷の舐め合いだけです。
真実の愛でない以上、あっという間に相手への興味をなくしてしまいました。
都合良く相手を使っていただけなのですから当然の結果です。
この「おもちゃ」という言葉は、相手を同じ人間だと認識せず彼らの痛みに鈍感なさまを表しています。
ですが、どこかに自分にとって都合の良い理想の恋人がいるはずだと、また別の相手に「愛」を囁きます。