3つの着目ポイント
その1:社会との関わり
張り巡らされた規制線 敏感になり過ぎた不気味な街は
幻想が生んだ無法地帯
出典: A.M.D.K.J./作詞:RINA 作曲:MAMI
この歌詞は、『A.M.D.K.J.』の冒頭部分です。
まるでリリースされた2020年の状況を予測したようなフレーズが印象に残ります。
冷たく静かな都会を描いた一節。
それは奇しくも、2019年末から2020年にかけて世界中を覆ったコロナ禍を思い起こさせるものでした。
SCANDALの「A.M.D.K.J.」が先行配信されたのは2020年の1月8日。
リリース時期からは偶然とも取れる一致です。
コロナ渦以前に、社会の状況を鑑みてこのような歌詞が描かれたのかもしれません。
しかしそれは、結果的にコロナ渦の社会の状況に寄り添った歌詞とも読み取れるものになりました。
人通りが少なくなった街中。
自粛を求める人々が目を光らせ合う、奇妙な社会と一致する部分も感じ取れます。
元々我々の社会の中に潜んでいた本質。
「A.M.D.K.J.」はその本質を穿っています。
だからこそ、社会の変化を予見するようなメッセージが読み取れる一作となったのです。
ありのままに事態を見つめる
目を逸らしてる人ばかり
現実を知って
その目でみて触れて
出典: A.M.D.K.J./作詞:RINA 作曲:MAMI
これらは「A.M.D.K.J.」の歌詞の随所に表れる言葉たちです。
これらの歌詞を、少し考察してみましょう。
目を逸らさないで、現実をありのままに知ってほしい。
頭で思考を巡らすのではなく、実感に基づいて言葉にしてほしい。
そんな意図が見え隠れしています。
社会に問いかける、メッセージ性の高い歌詞です。
事態をありのままに見つめることは難しいことです。
けれど結局、それが解決に繋がる最短コース。
そんなメッセージが、歌詞の随所から伝わってきます。
運命とは、その人の心の奥に眠っている魂
時に、神頼み
胸に閉じ込めた その想い
出典: A.M.D.K.J./作詞:RINA 作曲:MAMI
これらの歌詞から分かること。
それは精神性の深い場所に想いを巡らせているということです。
他にもこの歌詞の中には、精神性の深い部分に想いを巡らせている箇所が見つかります。
その点については後ほど深く読み解いていきましょう。
アーティストの歌詞には精神性の高さを感じるものが多く見られます。
この歌詞もその中の1つなのです。
フジテレビ系TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』エンディング主題歌
ここで一旦「A.M.D.K.J.」のタイアップに目を向けてみましょう。
現代社会の本質を突く鋭い歌詞と深い精神性。
そのルーツとなったのが、タイアップ作品「ゲゲゲの鬼太郎」なのです。
そもそも『ゲゲゲの鬼太郎』とは?
「ゲゲゲの鬼太郎」は水木しげるの名作漫画を原作にしたアニメです。
何度もアニメ化されており、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
「A.M.D.K.J.」が主題歌となったのは『ゲゲゲの鬼太郎』第6期。
妖怪がたくさん登場するのが魅力なのはもちろんのこと。
主人公の鬼太郎は、猫娘ら仲間たちとともに現代社会で活躍していきます。