争いを避けて生きるのには限度があります。
ケガすると分かっていても進まざるを得ない瞬間は必ずあるものです。
「戦い」それ自体は決してネガティブな行為ではありません。
望むかどうかは特にそれを得る条件ではない
願いの強さで変わるなら苦労はしないよね
出典: GATE II ~世界を超えて~ / 作詞:岸田 作曲:岸田
希望はあくまで希望。達成・獲得に至るには条件をクリアする必要があります。
誰かのため、あるいは自分のため。
願いをかなえたいのなら、踏み出す勇気をもって挑むべしと歌っているように思います。
願いがかなえば、もうそれを願う必要はない
世界を超えて君と笑えるように
この言葉がいつか忘れられるように
出典: GATE II ~世界を超えて~ / 作詞:岸田 作曲:岸田
「ように」と願っているということはまだかなえられていないのでしょう。
戦いに決着がついたあとは、敵味方関係なく笑いあいたいものです。
もし上手に笑いあえたのなら、その願いはもう必要ありません。
風化していき、笑顔が受け継がれていきます。
自分はもう寿命を迎えているかもしれない遠い未来のことまで視野にいれた壮大な願い。
『GATE II ~世界を超えて~』の歌詞のなかでもっとも美しフレーズだと筆者は思います。
好ましい未来のために……
さあそういうわけだからもういっそ覚悟を決めようぜ
好ましい未来なんてのは踏み出した先にしかない
出典: GATE II ~世界を超えて~ / 作詞:岸田 作曲:岸田
こちらは最終フレーズです。最後の最後にフランクな口調で語りかけてきます。
好戦的に見えながらも、「好ましい未来」という弁えた言い回しを選ぶ。
over30で身の程を知る主人公・伊丹のようで、締めくくりにふさわしい粋な演出となっています。
アニメ1期のOP曲『GATE〜それは暁のように〜』
アニメ2期のOP曲を紹介したのに、1期を取り上げないのはナンセンス。
こちらの項目では1期のOP曲『GATE ~それは暁のように~』について紹介します。
疾走感が気持ちいロック『GATE II ~世界を超えて~』とはだいぶ趣が異なります。
岸田教団&THE明星ロケッツらしいマニアックなドラムビートを奏でつつもメロディはかなりポップ。
ichigoのボーカルも意識してガーリーに歌っている印象です。
一方で歌詞は主人公・伊丹をイメージしたものとなっており、ある種の老獪さすら感じます。
大人のほうがゆるい
蒼い空の果て 繋がった道の行方
人と人は分かり合えない だけどいいんじゃない
開いた扉は全てを変えていく
それは暁のように
出典: GATE~それは暁のように~ / 作詞:岸田 作曲:岸田
「分かり合えなくていい」と肌で感じる程度には冷めている。
子どもの頃は理解をしたい気持ちが強くて、相手を受け入れることすら押し付けてしまうときがあります。
分からないものは分からないままにしておいても良かったんだと気づくには人との摩擦が不可欠です。
貫いて壊すより、しならせて継続したほうがいい。
over30の伊丹は、妥協とは諦めではないことをもちろん知っていることでしょう。
ほどよく力の抜けたリキまない大人の哲学が語られており、伊丹の魅力を感じることのできる1曲です。
PVを見比べてみる
『~それは暁のように~』と『~世界を超えて~』のPVは非常にシンプル。全編バンド演奏によるものです。
どちらも同じアニメのオープニング曲ですから、世界観に大きな差もありません。
そこで、シチュエーションや背景の微妙な差異を取り上げてみました。