多くの歌手に歌い継がれてきた名曲
今回取り上げる細川たかしさんの『浪花節だよ人生は』。
実はこの曲、1976年にリリースされたもののカバーなのです。
オリジナルを歌っていたのは小野由紀子さん。
リリース当時はなんとB面、つまり表題曲では無かったのです。
その後木村友衛さん、水前寺清子さんなど多くの方にカバーされてきました。
1984年にはなんと16人もの歌手がこの歌を歌ったそうです。
その中でも特にヒットしたのが細川たかしさんのバージョン。
これをきっかけに世の中でも広く知られるようになりました。
なぜこれほど長い間、多くの人に愛されてきたのでしょうか?
歌詞の解釈を通して分析してみましょう。
明るく軽快なリズムが心地いい名曲
この曲の特徴と言えば、全編通して鳴り渡る鼓と三味線。
軽快なリズムに乗せて高らかに歌われるこの曲は、演歌番組などでも特に盛り上がる曲です。
ものまね番組などでもよくネタにされる、演歌歌謡曲の代名詞と言えるかもしれません。
『浪花節』とは?
歌詞を読み解くうえで、まず気になるのは「浪速節」という言葉。
一体どんな意味なのでしょうか?
浪速と言えば大阪のイメージがあります。
大阪産まれの有名人の事を「浪速の○○」と呼んだりすることもありますね。
大衆に愛された人情物語
浪花節とは別名「浪曲」。
古くから日本の大衆の間で愛されてきた芸能の事を指します。
浪曲(ろうきょく)は、明治時代初期から始まった演芸で「浪花節」(なにわぶし)とも言う。三味線を伴奏にして独特の節と語りで物語をすすめる語り芸。一つ30分ほどである。戦後の隆盛後、落語、講談、浪花節と並び称された3演芸のうち、急速に衰えた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/浪曲
浪花節=浪曲とは明治時代から大衆の間で人気のあった演芸の事だったのですね。
イントロの三味線はまさにその浪曲を表しているのかもしれません。
「浪花節」と「浪曲」が同じものだとは知りませんでした。
また、そこで語られる物語には大きな特徴があったようです。
物語の内容から、転じて「浪花節にでも出てきそうな」という意味で、言動や考え方が義理人情を重んじ、通俗的で情緒的であることを俗に「浪花節的な」あるいは単に「浪花節」と比喩する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/浪曲
つまり「浪花節」とは「義理人情に厚いこと」「情緒的なこと」を意味しているのです。
これがこの曲の歌詞を解釈していくうえで最も重要なポイントになってきます。
ではいったいどんなところが「浪花節」なのか、具体的に見ていきましょう。
悲しい女の人生
この曲は三番までありますが、どれも最後の一説は同じです。
浪花節だよ 女の女の人生は
出典: 浪花節だよ人生は/作詞: 藤田まさと 作曲:四方章人
つまりこの歌で歌われているのは、とある女性の人生について。
では、そのどこが「浪花節」なんでしょう?