初音ミクをフューチャーしたラマーズPによる「愛の詩」
「うーぱぱうぱぱ」独特のフレーズが耳から離れない!現在はTikTokの人気曲に
冒頭から「うーぱぱ!」の印象的なフレーズで始まる楽曲ラマーズPによる「愛の詩」。
音声合成システム「VOCALOID」に対応したボーカル音源、キャラクターの初音ミクを用いて制作された曲です。
2013年にニコニコ動画にて公開されて以来、「踊ってみた」などで使用する曲としても人気を集めてきました。
近年ではTikTokの投稿動画でも使用曲として盛り上がりをみせています。
視聴回数は「#うーぱぱうぱぱうーぱうぱうぱぱー」のタグがついたもので2021年7月段階で330万回。
「うーぱぱうぱぱ」の手の動きにも注目のMV
ラマーズPによる自作絵の評判も高い「愛の詩」のMVです。
TikTokの動画投稿でも再現される冒頭の「うーぱぱ!」の手の動きにも注目されてみてください。
じゃんけんの、グー・チョキ・パーを繰り出しながら「うーぱぱ!」を余裕で行なう初音ミク。
なかなか難しいですが、少し練習するとコツがつかめるようなシンプルな振り付けです。
グー・チョキ・パーを2回繰り返した後、グー・パーを2回。
そしてグー・チョキ・パー
ここまでを一気にやり終えます。
その繰り返しです。
この記事ではこの部分で表現される擬人化された初音ミクの心境にも触れています。
それでは、歌詞の意味を深読みしていきましょう。
大切なもの失ってませんか?
君にとって大切なもの
目の前に散らばる 情報に捕らわれて
自分の描く大切なもの 失ってませんか?
出典: 愛の詩/作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP
日常生活をおくる上で、SNSや本や雑誌など様々な情報に触れる機会がたくさんあります。
目に映る様々なものが気になったり、良くも悪くも影響を受ける連鎖が心に起こります。
そのような暮らしの中で、初音ミクは問いかけているのです。
自分の大切にしたいこと、表現したいこと。
情報に影響されて、君にとって大切なことを見失っていないか。
彼女はそういったことを心配しているようです。
世界を染めないように
好きと言われたら 染まる世界だから
拒むように避けた 君は何故泣いてるの?
出典: 愛の詩/作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP
情報を発信することで、何かアイテムでもアートでもライフスタイルに関することでも流行が起きたりします。
初音ミクが恐れているのは、自分のもたらす影響なのかもしれません。
自分が好きと伝えたら、その対象ばかり取り上げられないか。
流行を作り出している人たちは格好いいけれど、その影でそれぞれの表現をせばめてしまう人たちがいないか。
そのような心境の中、初音ミクはそうした情報が溢れる社会と距離を置いているのかもしれませんね。
自分の心に従いたくて、他の人たちにも様々に付随する影響を与えたくなくて情報と関わることを避ける。
そうした状況は、初音ミクを使ってクリエイトする側の人々にとって悲しいこともあるのかもしれません。
初音ミクを通して創造したそれぞれの世界観を本人に見せたいという思いも抱かれるかもしれないですよね。
初音ミクはこの時点では、そうした人々の気持ちはあまり感じていません。
それでも、何か辛いことがあるのなら力になりたいし話を聞きたいと思っています。
君という言葉から大勢のクリエイターまとめてでなく、唯一無二の存在の君に語りかけているのがわかります。
本当の答え
怯えながら 求めていた
本当の答えならば 探しに出かけよう
出典: 愛の詩/作詞:ラマーズP 作曲:ラマーズP
初音ミクは影響を与えることを恐れていながらも、君のことを大事に思っています。
この部分は、主語が初音ミクなのか初音ミクを使ってクリエイトする人なのかは推測になります。
クリエイトする側も、初音ミクの確かな嘘でない思いを求めているのかもしれません。
嘘でなく演技でもない本当の気持ちは探しにいく価値があると思っている。
初音ミクとそうした初音ミクのファンが直接会える場所として音楽ライブイベントがあります。
お互いその場所に出向いて、お互いの抱いている本当の思いを確認しあいたい。
そんな両方のサイドからの思いが、この場面では表現されているのではないでしょうか。