幾千もの偶然から 手繰り寄せた 奇跡の夜は
戻らない時を 照らし続ける
出典: Hear ~信じあえた証~/作詞:濱名琴 作曲:野間康介
イントロ、サビでも強調されているこの歌詞は、この曲のテーマの部分です。
人生は”偶然”とそれが積み重なった”奇跡”でできている。
叶えたい夢があって、でもそれが本当に叶うかなんてことは誰にもわからないものです。
けれどきっと夢が叶った瞬間、”奇跡”が起きた瞬間。
様々な苦難もあったけれど、きっと辿る道の中で重なるべき”偶然”が重なったからこそ叶えられた”奇跡”。
実体験と重なった描写・・・?
これは栞菜さんの歌手人生とも捉えることができます。
東日本大震災で、悲惨な被災地の状況を目の当たりにしたとき。
オーディションでグランプリを受賞したとき。
路上ライブで少しずつお客さんが集まってくれたとき。
様々な”偶然”が彼女のCDデビューという”奇跡”を引き寄せてくれていたのです。
(栞奈さんは、もちろん努力家でもありますけどね。)
また、この部分は『僕だけがいない街』の内容も表現しています。
過去と現在を行き交う中でいくつもの偶然が重なったからこそ奇跡を成し遂げることができる、今を生きることができるということを表しているのです。
辛い”あの日”が今の自分の力になる
果てしない道を 恐れないように
歩けるのは 痛む胸に
あの日があるから
出典: Hear ~信じあえた証~/作詞:濱名琴 作曲:野間康介
この部分は彼女の歌手人生そのものを表しています。
希望を見出しても、前に進むことは簡単なことではない。
進んだことのない未知の世界はきっと困難なことが待っているはずだから。
そんな時に背中を押してくれる、力になってくれるの”胸に痛むあの日”だ。
あの日のこと思い出すだけで胸が苦しくなる。
けれどもしあの日がなかったら、希望に向かって果てしない道に一歩足を踏み入れることはできなかったはずだ。
彼女の歌手としてここまで歩んできた道は、辛く、苦しいものでした。
しかし栞菜さんの”歌手になりたい””歌いたい”という思いが誰よりも強かったからこそ、歩みを止めることはありませんでした。
その時、力になったものが道を進んでくる上での”胸に痛むあの日”なのです。
痛みを力に変えてきたからこそ、彼女は脚光を浴びることができたのです。
”ここ”にいること。それは信じることを恐れずに歩み続けたから
今ここにいること 目の前の景色と 自分を愛する意味を知ったの
聞こえる? ねぇ 聞こえる?
出典: Hear ~信じあえた証~/作詞:濱名琴 作曲:野間康介
この部分は曲の答えの部分です。
信じて歩み続けてきたからこそ”ここ”という場所にたどり着くことができた。
そして暗闇から抜け出し、”目の前の景色”そして”自分”を愛することができたのです。
では、”聞こえる?”は誰に問いかけているのでしょうか。
これは自分自身と、そして信じ続けたものに対しての”わたしはここまで辿り着いた。強くなれた”という意志表明ではないでしょうか。
暗闇にいたときは臆病で自分が進みたい方向に一歩踏み出すことすらできなかった。
しかし希望を信じて少しずつでも進んできたからこそ”ここ”という場所に辿り着いた。
強くなること、成長することができた。その気持ちをこの歌詞ではっきりと表現しています。
「Hear~信じ合えた証~」フルPV
夜の街で歌う「Hear ~信じあえた証~」のPVで伝えたいこととは?
PVは夜の街をテーマに撮影されています。
ネオンが美しい街に栞菜さんの透き通るような歌声が溶け込んでいます。
しかし驚きなことに、なんと一番重要なサビでは人混みの中で歌っているのです。
時折、栞菜さんに人影が重なり、彼女が見えづらい、という印象も受けたりして。
でも、これはこれはあえてそうしているのではないでしょうか。
このサビのシーンを見ると、栞菜さんのあの路上ライブのことが思い出されます。
彼女はたとえ誰一人立ち止まってくれなくても歌い続けました。
その”わたしは負けない”という思いがこのシーンでは表されていると感じ取ることができます。