「クラッシュ・ロワイヤル」だけに最初の一語に「クラッシュ」を持ってきたのでしょうか。
それでも自然なのはさすがです。
このゲームは、お互いのタワーを破壊することが目的となります。
ですので、ここの2行はゲームで対戦することを意味します。
引用2行目の意図せぬという単語が妙にひっかかります。
「戦おうという意思はないけれど、戦わなければならない時が近づいている。」とも取れます。
かなり遠回しですが、「争いに巻き込まれそうだ」という感じでしょうか。
少なくともTwitterの炎上などは、意図していない争いごとの一つですよね。
少し考えすぎかもしれませんが。
またお前かって思ったのもつかの間
手を出してたんだ
出典: 戦ってしまうよ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
素直に読んだ場合にはこうなります。
スマホを立ち上げたらゲームアプリが目に入ってきて「またお前か」とぼやきつつも、ゲームを始めてしまうという状態です。
反射的に、気がついたらプレイしているのですからかなりゲームが癖になっているのでしょう。
斜めに読むとこうです。
インターネット、週刊誌をはじめとする各メディアで騒動、炎上などを目にして、「またお前か」と思った次の瞬間にはTwitterで反撃!というような状態です。
PUSHひとつで動かされて
You and Meは交われないの
知ってること知ってる?
出典: 戦ってしまうよ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
引用1行目は、ゲーム内のキャラクターの立場に立っています。
普段普通に仕事をしていると同じような気持ちになるのは気のせいでしょうか。
「クラッシュ・ロワイヤル」ではSNSを通じてフレンドを増やすことはできるものの、ゲーム内でメッセージをやり取りすることができません(戦闘中のみコミュニケーションが可能)。
2行目は、そのシステムについてだと考えるのが自然です。
かなわぬ恋なんかでも同じような気持ちになりますが……。
3行目の問いかけは実にユニークです。
戦ってしまうよ 戦ってしまうよ
境界を見ながら いつかあなたはチェックメイト
想像を伝って 戦ってしまうよ
戦ってしまえば 全てはいつかチェックメイト
出典: 戦ってしまうよ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
「しまうよ」としているところから、「いけないと思いながらもついつい」という感情がうかがえます。
川谷は「クラッシュ・ロワイヤル」について「中毒性のあるゲーム」と発言していたこともあり、このゲームの中毒性を表現しています。
「明日も早いのに……」
なんて思いながらも睡眠時間を削ってゲームプレイした経験のある人も多いのではないでしょうか。
一方で、炎上やネット上の批判に対しても「戦ってしまう」と感じているのではないでしょうか。
こちらもいけないと思いながらも、争えば争うほど余計に多くの批判が起こって収拾がつかなくなっていきます。
そうやって行き場がなくなってしまうのもチェックメイトですよね。
「撃て、このゲームが終わらないように」
出典: 戦ってしまうよ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
ゲームに負けないために撃つのか?
それとも、炎上や騒動をゲームに例えているのか?
微妙なニュアンスです。
騒動は、本人にとってはマイナスな事象なので、終わらせたいのでは?と考えるのが普通です。
でも、もし開き直って面白がっているとしたらどうでしょうか。
また、音楽活動自体をゲームに例えているとしたらどうでしょう。
一旦は活動を自粛した「ゲスの極み乙女。」ですが、ゲームを終わらせない為にリリースを続けるとも取れそうです。
創作意欲が続く限り撃ち続けて欲しいものです。
想像を伝って 戦ってしまうよ
戦ってしまえば 3分間でチェックメイト
出典: 戦ってしまうよ/作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音
想像を伝うといいうことは、以心伝心のようなニュアンスが見て取れます。
「想像」を「イメージ」と解釈すると、あらゆる創作物とも取れますし、「伝って」には「インターネット」も連想させます。
「クラッシュ・ロワイヤル」は3分間の制限時間で戦うところから「3分間でチェックメイト」としています。
解釈まとめ
やっぱりゲームのことだけを歌っているように思われません。
ではいったい誰と「戦ってしまう」のか?
スクープされた週刊誌と「ゲスの極み乙女。」がコラボしていること、川谷が「メディアではなく世間がおかしい」旨のツィートをしていることを総合的に考えます。
するとやはり戦っているのは、炎上させようとしている誰かとそれに便乗している誰か、それで一緒に騒いじゃう世の中ということになりそうです。
騒動の原因となった、不倫や未成年の飲酒は確かに違法行為で問題があります。
ただ、本来は当事者間のトラブルであるのに有名人であったが為に謝罪を余計にしなければならないというのは不思議な感じがします。
「いったい誰に謝ったらいいのか?」
そう思うのも無理はありません。
もちろん反省し、迷惑がかかった当事者には謝らなければならないとは思いますが。
PVはこちら
構図が面白いPV
まるで、天井から撮影したかのような構図が面白いですね。
実際には床が壁に見える部屋(画面下部が実際の地面)で正面から撮影しています。
それが、PVが進むにつれてだんだんわかるというのもまた味わいがあります。
ピザをどうやって固定しているのか、個人的に気になります。
リャンメン(両面テープ)ごと食べる訳にもいきませんよね(笑)。