きっとキミが僕を思い出すとしたら
こんなふうに雨が降って
真っ赤な目で 僕をじっと見つめ
すぐに背を向けた あの夜かもしれないね
出典: 宙(SORA)/作詞:田鹿ゆういち 作曲:田鹿ゆういち,Octobar
君に対して君が望む「答え」が出せなかった僕。
ここでネガティブな感情の中に残された思い出がよみがえります。
僕の思い出なのに、歌詞を見ると「君が思う僕」が描かれているのがわかりますね。
先程の歌詞で僕は君への思いをまだ失っていませんでした。でも君は違うのでしょう。
君の心の中で、2人がいるのは時間が経っても雨の中。そして君は泣いたままです。
君の目が「赤い」ことがそれを示しているでしょう。
視線を合わせても一瞬で僕に背中を見せた夜。
君が別れを決めた瞬間でもあったのでしょう。
今ならそれがわかるけれど認めたくありません、現実は別れていることがわかっていても。
「かもしれない」で君との思い出を受け止めるしか僕はできないのです。
それができなくて
選択肢という名の
持ちきれない風船を握りしめて
気がついたら手の中の
1番大事なものが飛んでいったんだ
出典: 宙(SORA)/作詞:田鹿ゆういち 作曲:田鹿ゆういち,Octobar
君の心の中に僕は傷跡のように残っているのでしょう。
でも僕は君との恋に真剣だったことを伝えようとしています。
ここで僕の気持ちも切り替わったようですね。
雨も上がっているでしょう、「風船」には青空が似合います。
その空の下で僕は君からの願いを叶えようとしてました。
でもあまりにも「選択肢」が多すぎて君が「1番」望んでいた願いがわからなかったのです。
よりによって、他とは比べようのない大切な願いを僕は叶えることができなかった。
日々の連絡や週末の予定、そして未来の話と、君の願いは際限なく増えていったのでしょうか。
少し前のめりで意識の高い恋を望んだ君と、それを一歩下がってサポートしていた僕。
君には少し物足りない存在になっていたのは、間違いないのでしょう。
リフレインは再確認
言葉が宙(ちゅう)に舞って壊れたとしても
この想いは弧を描いて キミに届くはずキミに届いて
今度はその手を離さないよ
出典: 宙(SORA)/作詞:田鹿ゆういち 作曲:田鹿ゆういち,Octobar
ここでは同じ歌詞を繰り返します。
再び独りで君との恋を振り返る僕。
君を取り戻すことを今でも願っているのでしょう。
真っ直ぐな思いを僕にストレートにぶつけてきた君。
それに対して僕の思いは放物線で君へ届きます。
線はフワッとしているけれど、そこにある僕の思いは君だけに向けたものです。
次はきっと上手くいくから、信じて欲しい。
君が差し出した手を強く握りしめたまま歩き出せるから。
そしてまた天気は変わるから
光が作る橋
雨があがってそっと光が差したら
この想いは虹に変わり
キミに届くはず キミに届いて
探していた答えを見つけたよ
出典: 宙(SORA)/作詞:田鹿ゆういち 作曲:田鹿ゆういち,Octobar
雨上がりの空に表れた「虹」。
僕の心から君の心に「想い」をつなぐ橋に見えます。
大切な願いが飛んだ空の青さが次第に増していくのも感じられる歌詞です。
僕の心も次第に晴れていくことを表しているのでしょうか。
心をつなぐ橋ならば想いはより確実に届くでしょう。
思い出から、今心の中にある僕から君への「想い」に変化しています。
相変わらず押し付けがましい届け方はしません。
やっと僕なりに出した「答え」で君への思いを届けようとしているのでしょう。
離れたままでも
すぐに手を握って伝えたいけど
今の僕にできることは
ひとつひとつ言葉にして このソラの向こうの
キミが笑う場所へ声にかえて
出典: 宙(SORA)/作詞:田鹿ゆういち 作曲:田鹿ゆういち,Octobar
君が僕に望んでいたこと、今ならそれを叶えることができるかもしれない。
あの日とは違う僕になって、君の元に戻ることができる気がしているのでしょう。
でも僕はそれを実行には移しません。
君が僕を必要としていないことを知っています。
僕がいなくても君は君の道をもうすでに進んでいるのです。
もしかしたらそこには君に相応しい誰かがいるのかもしれません。
今いる「場所」で君が笑顔を見せているという歌詞がそれを想像させますね。
だから僕は君への想いをエールという「言葉」に変えて届けます。
思い出の中から取り出すような「ひとつひとつ」が切ないですね。
果てしなく広がる「ソラ」は今日も2人が一緒に見たものと同じです。
君と僕は今でも同じ「宙」の下にいるから、僕の声もきっと君に届くでしょう。