「雨唄」の交錯する音色

GReeeeN4人ともヴォーカルなので、伴奏はパソコンの打ち込みなどで作っているそうです。

この「雨唄」のイントロを聴くと、はっきりと機械音だとわかるような音色でした。

歌が始まると声にもエコーがかかります。

柔らかいメロディーラインなのに少しドキッとするのは、音に人工的な冷たさがあるからではないでしょうか。

淡々と静かに歌っていて、近寄りがたい哀しさを感じます。

サビの部分になると一気に盛り上がり、バックの音色も現実的なバンドの音に聴こえるように変化

感情が爆発して、急に人間らしく激しく胸に飛び込んできます

歌声もハッキリと力強く歌い分けて、余計に哀しみを助長しているようです。

2番になるとクラップの音が入り、1番のぼんやりとした光景から徐々に現実味を覚えるようなイメージ。

主人公の忘れられない想いを少しずつ強く表現しています。

その後、止まらない哀しみを、カッチリとしたラップのリズムで歌いあげ、胸に迫るようです。

再びイントロのメロディーが転調しながら現れ、主人公が思い出を振り返っているのがわかります。

それを振り払うかのように、もう一度サビのメロディーがやり場のない想いを描き切なく歌われるのです。

最後は残像のようなイントロのメロディがプツリと途切れて、曲は余韻を残して終わります。

終わりかけの恋模様

ここからは「雨唄」の歌詞をゆっくりみていきましょう。

私個人の解釈と感想を交えながらご紹介します。

離れていく心

優しいフリして 言葉並べても
変わった仕草と 態度で気付くよ…
君が 変わったの? 私が 悪いの?
なぜか?って思っても もう届かないって

出典: 雨唄/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

主人公は恋人の冷めた心に気づいてしまいます。

恋の終わりを感じさせる歌詞です。

別れをはっきりと切り出されなくても、もう相手の心はここにはないことを主人公は痛感しています

元に戻したいけれど、その方法はもはやわからない。

どうしようもない哀しい想いがこみ上げてきます。

何とかしたい切ない想い

気付いて 泣いていたの
この雨と同じ 心模様
どうしても 戻れないの
信じたくなくて 戻したくて…

出典: 雨唄/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

もうずいぶん前から気付いていた離れていく心。

主人公はひっそりと心で泣いていました

何とかしたい、つなぎ留めたい。

でも無理なこともよくわかるから、余計に哀しくなっていきます。

二つの雨

二人で過ごしたこの雨の日は
傘の下で近づく恋の瞬間(トキ)
二人が離れたこの雨の日は
ずっと悲しく降り続く 私の涙

出典: 雨唄/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN

サビの叫ぶような心の高まりの部分です。

主人公は二つの雨の様子が頭の中を交錯していくのを感じます。

一つの傘で濡れないように寄り添ったドキドキする二人の時間の雨。

そして今別れたこの瞬間に降りしきる涙のような雨。

同じ雨なのに、心模様でこんなに違うのだと、ひしと感じる主人公。

いつまでも涙が止まりません。

忘れられない日々

追憶の時間

私のそばに君が居なくて
寒く淋しいこの空のようです
一人 部屋にいると
思いあふれる 笑顔の日々…
忘れたいって 思っていても
忘れられずに 雨降り

出典: 雨唄/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN