たとえいつ死んだとしても...
最初は殺伐とした心象を現わしていた「空」の色。
ここではほんの少しだけ希望の色が差しているのです。
そして様々な自然への描写と並列される「欲望」の描写。
吉井さんは絶望に包まれながらも全力で「生」を全うしようとしています。
だからこそヒリヒリとした感触が痛ましいのですが...。
「CALL ME」が発しているメッセージはこう。
「いつ死んだとしても後悔はしない」
人生においてどのよな絶望的な経験であろうと無駄なことなど何も存在しないのです。
失敗を次のチャンスに活かす。
そのためにその失敗や絶望の気持ちと向き合わなければなりません。
自身との向き合い方は人それぞれです。
吉井さんは音楽家としてすべてを楽曲に書き起こすことで人生と向き合い続けます。
だからこそTHE YELLOW MONKEYの復活劇でのポジティブな詞は心を打つのです。
THE YELLOW MONKEY再結成の感動
問題ない そう問題ないよ
太陽もうなずいたよ 行こうよ ロザーナ
君といられた 長いようで短いこの時代は
神様にしかチェスは動かせないの?
凍り付くような悲しみ 溶けるほどの喜び
迷い続けた答えはなんて言ったの?
出典: ロザーナ/作詞:吉井和哉作曲:吉井和哉
2016年に多くのファンの喜びとともに復活したTHE YELLOW MONKEY。
それは同時に吉井和哉さんの長き自己観察の終わりを意味します。
それが例え一時的なものだとしても...。
2017年にリリースされた「ロザーナ」という曲は生きることの喜びみ満ちています。
ガソリンスタンドで聞く「オーライ」にさえ鬱屈とした吉井さんはここにはもういません。
もう「オーライ」になったのでしょう。
人生の浮き沈みさえも楽曲として昇華してしまう天才吉井和哉の世界。
震えるような感動をこれからも味合わせてくれることでしょう!
最後に
今回は吉井和哉さんの「CALL ME」の歌詞から彼の天才たる所以を解説してみました。
改めて聴き直すほどに味わい深いソロ活動時代の楽曲たち。
どれも素敵な曲ですが非常に私的な躁鬱感が痛ましくもありました。
やはりTHE YELLOW MONKEYが一番安心して聴けるのでしょう。
2019年4月にニューアルバム「9999(フォーナイン)」を発表するイエモン。
みなさんもイエモンと吉井さんの過去の作品を改めて聴き直してみてください。
関連記事のご紹介
最後にTHE YELLOW MONKEYの「9999」収録曲の関連記事を紹介いたします。
2016年、イエモン再結成のスタートとしてリリースされた「砂の塔」。
歌詞についての深い解説記事をご覧ください。
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