CirclesのPVで、Post Maloneはローマ時代の甲冑のようなコスチュームを身にまとっています。
まさしく男をダメにする女と「闘う男」のイメージです。
彼自身は「好きなテレビゲームに登場するキャラのコスチュームをイメージした」とインタビューで答えています。
まるで映画「グラデイエーター」の中でラッセル・クロウが演じる剣闘士(元ローマ軍の将軍)のようです。
醒めた恋愛関係を清算する際の男の苦悩をスローなアコースティクギターのメロディー。
そして、しみじみ歌うPost Maloneのボーカルは、同じ経験を持つ多くの人びとの心に深く共感を呼び起こします。
Circlesは、歴史に残る素晴しい名曲として聴かれ続け、歌い継がれていくことでしょう。
Circlesが生まれた背景
ラッパーとして登場した当時のPost Maloneの音楽は、現代アメリカの世相や若者文化を反映したものでした。
つまり、ドラッグとセックスと拝金主義を臆面も無く礼賛する軽薄なものだったのです。
彼も早くから成功し、大金を掴んで美女やドラッグを自由に手に入れようと夢みていました。
その夢が思わぬ早さで実現し、豪邸住まいに愛車はロールス・ロイス、プライベートジェットでの移動等々……
一躍アメリカンドリームの具現者となったのです。
しかし、若き成功者として持て囃される中、犯罪者の格好のターゲットとなり、何度も財産を脅かされました。
それにより虚飾と妬みと金銭的欲望に満ちた芸能界や気まぐれで嫉妬深い世間に嫌気がさしたのでしょう。
しかし、そんな彼に世間は同情するどころか快哉を叫んだり、冷たい視線を投げかけたり……。
「心の底からリラックスできるのは、ユタの田舎で、一人でテレビゲームに興じている時だけだ」
こう彼は内心を吐露しています。
こういう心境の変化が、新しい分野の音楽Circlesを生み出した原動力になってるのでしょう。
Post Maloneへの期待をこめて
同じギター&ボーカルの名曲に、エリック・クランプトンの「いとしのレイラ」があります。
この楽曲は男の燃える恋心を情熱的なロックで歌い上げています。
一方「Circles」は、緩やかなテンポでしみじみと歌い上げている楽曲です。
かつて愛し今は冷めてしまったのにズルズルと関係を続けている相手への複雑な心情が伝わってきます。
「エモーショナル・ロック」とはまた違う、この心のひだに染み入るようなポップな曲です。
これは「サイコ・ポップ」と呼ばれるようになりました。
ドラッグや肉欲に溺れて身を持ち崩し成功者の地位から転落する芸術家の例は枚挙にいとまがありません。
短期間で一躍成功者となったPost Maloneも、そういう危機感を痛切に感じていたのではないでしょうか。
反面教師となる先輩や仲間のミュージシャンも多数いることでしょう。
そういう危機感の中から、自らの生き方を戒めるためにCircleを作ったと考えれば、いたく納得できます。
成功者の足元をすくうドラッグやセックス、その依存症から抜け出そうとしてもなかなか抜け出せない……
その意味がCircleというタイトルに込められているとも考えることができます。
最後に
今回はPost Maloneの「Circles」の歌詞を考察してみました。
冷めきった関係ながら、別れることもできずもがく主人公の心情がひしひしと伝わってくる歌詞だと思います。
しみじみと歌い上げるPost Maloneの歌声も必聴です!
こちらの記事でもPost Maloneについて紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
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この若き天才ミュージシャンが、これからも末永く名曲を世に送り出し続けることを期待しつつ筆を置きます。
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