the engy【Under the water】歌詞を和訳して意味を解釈！水の下にとどまる理由とは

チャンスをくれよ。

誰かが「落ち着いて」と言った。

だけど僕はおかしくなりそうだ。

後戻りはできない。

それが僕の人生だとわかっている。

交渉の余地はない。

大目に見ることはできない。

ラップの後半部分です。

ひとりにしてほしいという言葉を残してこの場を立ち去るのかと思いきや、男性はなかなか動きません。

まさに水中でもがけばもがくほど、さらに深みにはまっていくようです。

そんな男性の様子を見かねたまわりの人が優しく声をかけたのでしょう。

しかし、僕のぼやきは止まりません。

具体的な物語が描かれているわけではないので、実際クラブにいるかどうかも断定はできないでしょう。

そこでこれもまたひとつの解釈ということで男性の失恋話を続けてみます。

そもそも恋人同士だった2人。

ところが女性は他の男性に気持ちが移り、浮気をしたのかもしれません。

そちらで恋が成就すれば単純にこの歌の主人公である僕の完全な失恋です。

しかし女性は浮気相手の男性に傷つけられた状態で戻ってきました。

そのため僕はそんな男とよく一緒にいることができたものだと歌詞の冒頭のように語っていたのでしょう。

ここで僕が女性を受け入れると、2人はよりを戻せるかもしれません。

この流れでラップ後半を意訳します。

たしかによりを戻すチャンスはあるけれども、彼女の浮気は事実だから何もなかったことにはできない。

これが僕の生き方だとわかっている。

見て見ぬふりをするという選択肢はない。彼女をゆるすのは無理だ。

こうして僕はまるで水中でもがいたまま抜け出せないかのような状態に陥っているという物語が想像されます。

手を貸してもらえるかい？

ねえ、手を貸して、助けて。

最後はもう誰かに手を貸してもらわないと歩けないほど、ボロボロです。

クラブの隅っこのソファでずるずると溺れるような光景が浮かびます。

もちろんすべて抽象的な表現なので、具体的な物語は仮説の域を出ません。

リスナー自身がそれぞれの日常を重ね合わせやすいようになっています。

恋愛に限らず、学校や職場など様々な人間関係に置き換えてみても当てはまるでしょう。

とにかく自分の考え方を曲げられず、過去の事実に傷つき、ひとりになりたいのにまわりから口を挟まれる状態。

まるで水の中で溺れるような気分になって助けを求めているわけです。

そしてこの歌はこのまま終わります。

いかがでしたか？

the engyの「Under the water」はまさに水中でもがくような心情がまざまざと描かれていましたね。

考えれば考えるほどがんじがらめになり、なかなか打破できない現状を抱えることもあるものです。

そんなときにこの曲を聴くと、悩みにそっと寄り添ってくれるような優しさに包まれるのではないでしょうか。

どうして踊らなければならないのかと悪態をつくような歌詞もありました。

しかし実際のボーカルおよびサウンドは優しい横揺れのグルーヴに満ちていたでしょう。

リスナーはこのノリを堪能することによって、いつのまにか水の下から抜け出せているかもしれませんね。

さて、音楽性にあふれた新たな日本のブラックミュージックといえば向井太一さんも外せないでしょう。

こちらに「Savage」の歌詞について解説した記事がございます。

よろしければチェックされてみてはいかがでしょうか。