米軍が沖縄に上陸し、嵐が来たのでしょう。
そして終戦後は何もなかったかのように、全てを奪い去ってさざ波だけがゆれています。
最後に、願わくば永遠に風のない穏やかな日々であって欲しい、と祈るのです。
戦争や軍隊などという言葉を使わなくても、強い反戦の意を感じます。
そして悲劇を沖縄の美しい自然に例えたことで、沖縄への尊敬の意も感じます。
天国のような美しい場所が、犠牲になったのだと改めて実感出来る唄となっているのです。
レとラにこだわった
曲中には、洞窟の中で共に散っていった二人を描いた歌詞があります。
ウージの下で八千代の別れ
出典: 島唄/作詞:宮沢和史 作曲:宮沢和史
実はここには宮沢和史の強い想いが隠されています。
歌詞を見てもすぐわかるように、国歌で使用されている「八千代」という文字が確認できます。
また、沖縄音階には「レ」と「ラ」の音が存在しないそうです。
しかしここではあえて通常の音階を使用しています。
それは本土の為に犠牲になった命だった、という彼の思いを反映しているのだそうです。
本曲には沖縄方言のウチナーグチ・バージョンと、オリジナル・バージョンがあります。
本土の言葉で歌う島唄にも、しっかりとした意味があるのではないでしょうか。
『島唄』MV
改めて歌詞の意味を考えながら聴くと、今までと違った聴こえ方がするかもしれません。
おわりに
THE BOOMの『島唄』いかがでしたでしょうか。
この曲は幅広く知られていますが、本当の意味をご存知だった方は少ないのかもしれません。
筆者ももちろん曲自体は知っていましたが、正直なところ歌詞の内容は字面を追っていただけでした。
この歌詞に隠されている本当の意味を初めて知りもう一度聴き直した時、涙が溢れて止まらなくなりました。
軍民混在の壮絶な虐殺が繰り返された1945年4月から3ヶ月間の沖縄。
あれから70年以上が経った今、改めて今後私たちが何をすべきなのかを考える必要がありそうです。
時代と共に、戦争を知る世代は減ってしまいました。
しかしこの曲は沖縄の心として、これからも歌い継がれるのではないでしょうか。
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