2番の歌詞

3連部分を和訳

Bob Dylan【Blowin’ In The Wind】歌詞和訳&意味解説!世の難題を憂う心情はの画像

Yes 'n' how many years can a mountain exist
Before it's washed to the sea?
Yes, 'n' how many years can some people exist
Before they're allowed to be free?
Yes, 'n' how many times can a man turn his head
And pretend that he just doesn't see?

出典: Blowin’ In The Wind/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan

和訳

“山は、どれくらいの年月存在できるだろうか

海に流されてしまうまでに

人々は、どれくらいの年月存在できるだろうか

彼らが自由を許されるまでに

人は何回首をそむけることができるだろう

見なかったふりをすることさ”

よりメッセージ性の強い内容に

Bob Dylan【Blowin’ In The Wind】歌詞和訳&意味解説!世の難題を憂う心情はの画像

1番の歌詞と比較すると、よりメッセージ性が強くなってきました。

3連部分の最初の山のパートは、まだ若干のどかで雄大な感じが漂っています。

しかし、2連と3連目はかなり重い内容になっています。

2連目を言い換えれば、自由になるまで生きていられるだろうかということです。

自由になるまで戦って、消えずに残っていられるのかと疑問を投げかけているのでしょう。

人類全体と捉えることもできるかもしれません。

人類はかりそめでない、本当の自由を得られる社会を作れるのか?

そんなメッセージを受け取ることができるでしょう。

3連目はよりシニカルな表現となっています。

生きていくうえで何回目をそむけるのか?という問いかけに、ハッとした人も多いのでは?

人は、1人で生きているわけではありません。

社会に属して、仕事や勉強をして生活しています。

当然、すべてのルールや考え方が、自分とピッタリ同じということはないわけです。

時には、疑問を感じながら行動しなければならないこともあるでしょう。

しかしそれに慣れてしまっては、立ち向かうべき大切なことまで見過ごしてしまうのではないでしょうか。

ボブ・ディランは「Blowin’ In The Wind」で、そんな“慣れ”に警鐘を鳴らしているのだと思います。

コーラス部分は1番と同じ歌詞なので、次は3番の解説です。

「Blowin’ In The Wind」の3番を和訳して解説

歌詞と和訳

Bob Dylan【Blowin’ In The Wind】歌詞和訳&意味解説!世の難題を憂う心情はの画像

Yes, 'n' how many times must a man look up
Before he can see the sky?
Yes, 'n' how many ears must one man have
Before he can hear people cry?
Yes, 'n' how many deaths will it take till he knows
That too many people have died

出典: Blowin’ In The Wind/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan

和訳

“人は何度上を見上げるだろうか

空が見えるようになるまでに

いくつの耳が必要だろうか

人々の嘆きを聞けるようになるまでに

いくつもの死が必要だろうか

たくさんの人が死んでしまったと気がつくまでに”

3番の歌詞の解説

Bob Dylan【Blowin’ In The Wind】歌詞和訳&意味解説!世の難題を憂う心情はの画像

1連目の、上を見上げても空はそこにないという表現。

自分自身の心が曇ってしまっていることの喩えだと思います。

果てしなく澄み渡った青い空を見ても、どんな広大な景色を見ても、心の眼には霧がかかっている。

そんな状態を表しているのではないでしょうか。

空はある種、自由の象徴です。

2番の歌詞でも自由について歌われていますが、そのメッセージと繋がっているのでしょう。

自由や希望を信じて見つめてみても、そこには何もない。

そのときに感じるのは失望です。

1連目は、失望の多さを嘆いていると捉えられます。

2連目は少し不思議な表現ですね。

耳を何個も付け替えているかのような印象を受けます。

いくつも必要だということは、それだけ耳を酷使して、擦り減らしているのでしょう。

酷使するくらいしっかり何回も聴かないと、本当の嘆きは聞こえてこないということだと思います。

あるいは、世の中には偽りの嘆きも多く、そんな言葉ばかり耳に入ってしまうということかもしれません。

いずれにせよ、かなり考えさせられる表現ですね。

3連目で歌われていることはもっと悲惨です。

国レベルでの争いや問題について問いかけているのでしょう。

大きな規模では、死者の数は“ただの数字”に見えてしまうことがあると思います。

死から近い場所にいない人々は、死者が多いか少ないかという曖昧な判断しかできません。

そこには、人命の尊さという考え方が足りないのではないでしょうか。

しかし、気づいたときはもう遅いのかもしれません。

ボブ・ディランはそんな世の中を憂いでいるのでしょう。

ボブ・ディランのインタビューとまとめ

Bob Dylan【Blowin’ In The Wind】歌詞和訳&意味解説!世の難題を憂う心情はの画像

「Blowin’ In The Wind」について、ボブ・ディランのインタビューがありました。

読んでみましょう。

ヒップな奴らは「ここに答えがある」だの何だの言ってるが、俺は信用しねえ。俺にとっちゃ風にのっていて、しかも紙切れみたいに、いつかは地上に降りてこなきゃならない。でも、折角降りてきても、誰も拾って読もうとしないから、誰にも見られず理解されず、また飛んでいっちまう。世の中で一番の悪党は、間違っているものを見て、それが間違っていると頭でわかっていても、目を背けるやつだ。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/風に吹かれて_(ボブ・ディランの曲)