ノーベル文学賞を受賞したBob Dylanの代表作
2008年にはピューリッツァー賞特別賞を、2016年10月には「アメリカ音楽の伝統を継承しつつ、新たな詩的表現を生み出した功績」を評価され、歌手としては初めてノーベル文学賞を授与されることが決定。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ボブ・ディラン
Bob Dylan(ボブ・ディラン)は、1950年代後半からミュージシャンとして活動している伝説的な人物。
あのジミ・ヘンドリックスをして、ボブ・ディランのよさは歌詞を聴けばわかると言わしめました。
カントリー、ブルース、ロックなどを独自に昇華し、文学的な歌詞を届けてきたボブ・ディラン。
そして、2016年には歌手ではじめてノーベル文学賞受賞という快挙を成し遂げて話題になりました。
そんな彼の代表曲のひとつが「Blowin’ In The Wind」。
邦題は「風に吹かれて」です。
こちらのタイトルの方がl、馴染み深いかもしれません。
問いかけるように歌う
詩的な歌詞を和訳
How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
How many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?
Yes, 'n' how many times must the cannon balls fly
Before they're forever banned?
出典: Blowin’ In The Wind/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan
【和訳】
“どれほどの道を歩かねばならないのか
お前があいつを1人の男と認めるまでに
どれほどの海を海を渡らなければならないのか
白い鳩が砂浜で眠るまでに
どれほどの砲弾が撃たれなければならないのか
それが永劫に禁止されるまでに”
3つのパートに分けて解説
とても詩的な歌詞ですね。
3つの例えを並べて、強いメッセージ性を持たせています。
1〜2行目は、人が生きていくことの難しさを。
3〜4行目は、白い鳩が描く広大な風景。
5〜6行目になると、人類の争いの愚かさを歌っています。
3つのパートの対比が実に見事ですね。
ボブ・ディランの歌い方には、どこか飄々としている部分もあります。
しかし、それが逆に聴き手の苦悩を想起させるのではないでしょうか。
もう悩み抜いて、あきらめて、涙も乾き果てたような印象になるのです。
3つのパートの詩的な対比。
強烈なメッセージ性。
聴き手への問いかけ。
これらの要素が折り重なり、時代を超えて人々から絶大な支持を得る名曲となったのでしょう。
歌詞を聴いていると、なんだか口ずさみたくなってきます。
そんな漠然とした魅力があるのです。
歌うも歌わないもお前さん次第。
「Blowin’ In The Wind」の歌詞の裏から、そんな問いかけが聞こえてきそうです。
この曲は、何かを強制したり、人々を扇動するような歌詞ではありません。
しかし、それ以上のパワーを秘めているのではないでしょうか。
コーラス部分の解説
コーラスの歌詞を和訳
The answer, my friend, is blowin' in the wind
The answer is blowin' in the wind
出典: Blowin’ In The Wind/作詞:Bob Dylan 作曲:Bob Dylan
コーラスの歌詞の解説
前のパートで歌われた3つの問いかけに対し、明確な回答はしません。
風の中に答えがあると言っているのです。
言い換えれば、答えはないということでしょう。
答えが風に吹かれてなびくようなものだということは、確かな答えなどないと言っているに等しいです。
少し深く考えるなら、その時々の風向きや、それぞれの立場で答えが変わるということかもしれません。
こうも考えられます。
答えを出すことが重要ではない。
そんなメッセージを歌っているのではないでしょうか。
もしかすると、1人1人が疑問を持つことこそが大事だと言っているのかもしれません。
いろんな立場の人がいて、それぞれの答えは違うけれど、考え続けることが重要だということでしょう。
考えて出した答えさえ、時には風に吹かれて変わるかもしれない。
それでも前に進もう。
「Blowin’ In The Wind」からは、そんな思いが伝わってきます。
とても深い歌詞ですね。
明確な答えが求められる現代社会への、強烈なアンチテーゼになっているようです。