人間とは強い生き物ではない

Ah…Is it Naked?
きっと人間てそんなもんなんだ
私利私欲のため愛していたんだ

出典: Naked/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也

注目すべきは歌詞の2行目です。

結局は人間はそれほど偉大なものでもなく、ただ欲望のままに生きる生物だといっています。

私たちは、心のどこかで人間を強く高尚なものだと思い込んでいるのかもしれません。

しかし現実はひどく醜い有様で、こうして共同で生活しているのはただ形に過ぎないといっているのです。

誰かを愛することも、何かに縋ろうとすることも、全ては自分を満たすことに繋げるための過程。

そこには人間の黒さだけではなく、自分のことで精一杯な弱さすら感じられます。

誰かを蹴落としてまで、嘘の正義を振りかざしてまでも自分を守ろうとする。

私たち人間は、思っているよりずっと弱くて醜い生き物なのかもしれません。

1度自分の在り方すら考えさせられるようなリリックです。

欲求に飲まれた人間

がらんどうの脳内

細胞膜から脳の限界に
愛情 割愛 停止心肺さ
友情ごっこも勝利奪還の
ズル賢いわね Naked

出典: Naked/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也

流れるようなメロディーテンポの良いリリックが特徴的なフレーズです。

ここでいっているのは、中身に何も詰まっていない私たち人間の脳内。

愛や正義、友情や社会体裁すらも、自分の欲求下では意味をなさないといっています。

弱く醜い人間から表出される欲望は相反するように強大

ここでいわれている「勝利」とは他でもなく自尊心の充満です。

それも良い達成感から来る満足感ではありません。

死に物狂いで奪い取った満足感すらも自分の中では正義と昇華されていきます。

これこそが人間の本性であり、全てを剥ぎ取って残ったものだといっているのです。

あなたも同じ

解体してみな君の感情を
自己愛まみれで嫌になるはずさ
尊敬 敬愛 名義変更さ
軽蔑 嫉妬のNaked com

出典: Naked/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也

これまでの歌詞を他者目線で聴いていた人には痛烈な歌詞

心のどこかで、自分自身はこの限りではないと感じていた人も少なくないのではないでしょうか。

そんな自分だけは違うという考え方すらもここで述べられている醜さに内包されるのだと解釈します。

そうして恐る恐る自分と見つめ合ってみれば、衝撃を受けるほどに真っ黒であるかもしれません。

他者に向けていた敬意の念の裏腹には、相手を嫉んで嫌み続ける自分の姿

歌詞の最後に述べられている「com」にも注目です。

この単語から想起するのは、インターネット上で使用されるドメイン名などでしょうか。

それだけではなく、この単語には「共に」という意味もあります。

その2つからするに、黒く醜い感情は自身に深く根付いたものといっているのだと解釈出来ます。

欲望には無力な私たち

ハズレくじ彼女の
胸の谷間から
覗き込む白い糸

出典: Naked/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也

ここまで触れられていなかった「性の欲求」すらも上記に同じといっています。

それもそのはず、「性欲」は人間の3大欲求に含まれる、人間の本質的な欲求なのです。

歌詞の冒頭でハズレと述べられているように、欲に負けた先には罠だったケースすら存在する。

それでも止まれない、自我がコントロールしきれない人間の無力さすら描かれている歌詞です。

まるで中毒のように

奥の奥のほうまで
感じて乱れて
壊れてしまうまでに

出典: Naked/作詞:山中拓也 作曲:山中拓也