恐怖を上回る恋心

白い木漏れ日を浴びたあなたが無邪気に微笑んだ
私の好きな笑顔 淡い恋心
押し込めていた想いが止めどなく溢れ出し
いつのまにかあなたを抱き締めてた
言葉なんか必要(いら)ない

出典: 眠れぬ夜/作詞:林保徳 作曲:林保徳

一度は目を背けた彼女ですが、その後もオヴェスと会い続けているのが歌詞からわかります。

彼の無垢な笑顔はエルにとっては太陽のように眩しかったのでしょう。

その笑顔に抱く感情が恋であると認めます

恋心が幸せへの恐怖を上回り、エルは感情が抑えられなくなってしまいます。

言葉では何も伝えず、抱き締めるという行動によって本心を伝えていることが歌詞からわかりますね。

こういった物語がベースの曲は、抽象的な感情を歌った曲よりも情景がはっきりを浮かびやすいです。

ストーリーブックの手助けもあり、私達が物語へ入り込むのは容易でしょう。

だからこそ、エルがこの場面で抱いている感情が真っ直ぐ心に伝わり、聴き手のを感情を震わせます。

幸せを再び失う恐怖に怯える夜

眠れぬ夜 あなたを想う度 胸が痛むのはなぜ?
こんなにも幸せすぎるのに こんなに怖いのはなぜ?
"愛してる"って口づけするほど涙が溢れそうだよ
それはきっと本当の愛の形だからでしょう
真実の愛ってこの気持ちの事を言うのでしょう

出典: 眠れぬ夜/作詞:林保徳 作曲:林保徳

想いを告げたことで、エルは両親を亡くして以来失ってしまった幸せを再び手に入れます。

しかし彼女は一度幸せを失くした身です。

手に入れた幸せを再び失くしてしまうのではないかと恐怖します

この感情が「眠れぬ夜」のテーマとなっています。

大なり小なり、エルのような感情を抱いたことのある人は多いのではないでしょうか。

誰もが持つ心の本当に弱い部分を、物語に乗せて歌い上げるyasuは私達の代弁者であると言えるでしょう

幸せな静寂にエルは何を思ったのか

光の中に消えてくあなたの夢を見て泣いた
あなたは何も言わず抱き締めてくれた
気がつけば二人でいるのが当たり前になって
ささやかでも 幸せを知りました
言葉なんか必要(いら)ないの

出典: 眠れぬ夜/作詞:林保徳 作曲:林保徳

エルの恐怖心が夢となって現れています。

無言で抱きしめるオヴェス、いい男過ぎますね

想いを告げてしばらく経ち、2人でいるのが普通という状態になっています。

そんな小さな幸せを噛み締め、2人だけの静寂を楽しむエルはその時、どのような表情をしていたのでしょう

幸せに微笑みながらも、翳りのある目線でオヴェスのことを見ていそうですね。

大きくなる幸せに比例して襲いかかる悪夢

眠れぬ夜 あなたを想う度 胸が痛むのはなぜ?
こんなにも幸せすぎるのに また怖い夢見て泣いた
目覚めた時 夢のように すべてが消えて無くなりそうなの
だからまた私は眠れぬ夜をくり返すでしょう
そしてまた私はあなたを想い続けるのでしょう

出典: 眠れぬ夜/作詞:林保徳 作曲:林保徳

眠りにつくとまた悪夢が襲いかかってくる。

もしかしたらその夢が本当になってしまうのではないだろうか。

そう考えて彼女は、何日も眠れない夜を過ごします。

想いが強くなるほどに失うのが怖くなっているのでしょう。

幸せに対して素直になれない彼女の心情が、聴き手の感受性を刺激します

そして曲の終幕と共に、物語は次のフェイズへと進んでいきます。

物語の終幕はハッピーエンドか悲劇か

さて、「L-エル-」で紡がれるエルの人生は、最終的に幸せな終幕を迎えるのでしょうか。

はたまた最期までオヴェスに想いが届かず、悲惨な最期を研げるのでしょうか。

気になる結末についてはここでは記述しません。

気になる方は是非書籍や映画版DVDを上確認して見てください。

きっと涙無しには終わることは出来ないでしょう。

おわりに