あの世のリズムとこの世のリズムで踊らせてよ
あの世のリズムとこの世のリズムで踊らせてよ
そこら中で誰かの音が鳴り
嘘みたいな噂が真実をつくる

出典: 1995/作曲:Hidefumi Kenmochi 作詞:Ken Hirai

死んでしまった自分のやりがい

本来デビューしてから自分がやりたかったことと現実を両立したい思いがここにあります。

あの世のリズムとは、歌手として売れるために死なせた自分のやりたかったこと。

そしてこの世のリズムとは売れるために作り続けた現在の自分。

その両方を両立させて活動したいという思いがあるのです。

噂が自分を作り上げていく

誰かの音とは我々リスナーの声ではないでしょうか。

売れるようになってくると平井堅に対していろんな意見が飛んできます。

そんな中で誰もがバカバカしいと感じる嘘みたいな噂も出てきます。

でもそんな噂は独り歩きして、本人の知らないところで「平井堅」を作り上げる。

本当は自分のスタイルを作り上げたいはずなのに、世間の「平井堅はそこからどんどん離れていく。

それを嘆く思いがここにあるのではないでしょうか。

時代に合わせるのももう飽きた

いずれ変わるのなら 踊らせてくれよ
見たこともない靴で 踊らせてくれよ
新しいリズムで 泣かせておくれよ
すぐに飽きちゃうから

出典: 1995/作曲:Hidefumi Kenmochi 作詞:Ken Hirai

自分のスタイルでいかせてくれよ

ここではやりたいようにやらせてもらうという気持ちが湧いているのがわかります。

時が経つと人の心や思い出は変わり、今までと全く正反対のことを言ったり噂がなくなったりします。

そして世間の声は重要ですが振り回される必要はないと気づいたのです。

ここの踊らせてくれよは「だったらやりたいことをやらせてもらう」と捉えられますね。

靴はダンスにとって非常に重要なツールです。

見たこともない靴とは、今までリスナーに見せてこなかった一面。

平井堅が自分のやりたいスタイルを始めたきっかけが見えます。

好きに言ってくれよ

ここは世間への挑発でしょうか。

新しいリズムとは、世間の声。

泣かせておくれよっていうのはバッシングしてみればいいととれます。

次から次へといろんな事を言う世論。

でもすぐにまた別のことを言い出すものです。

好きに言えば良い、すぐに飽きるから。」

いちいち相手にしてられないという思いが見れますね。

夢も散っていく

ハヤクハヤク 夢なんて叶えるものだとあのコが
ハラリハラリ 諦めの風を浴びながら歌うよ

出典: 1995/作曲:Hidefumi Kenmochi 作詞:Ken Hirai

 夢なんて叶えるものだと1995年に歌っていた歌手といえば安室さんですね。

彼女は1995年に「chase the chance」という楽曲で紅白歌合戦に出場しています。

その中の一節に1行目のような文章があります。

しかし彼女も引退時には「当時は敷かれたレールの上をきちんと進むことに集中していた」と答えています。

そして小室ファミリーから離れた2000年代に入ってから自分のやりたい音楽を始めたそうです。

当時デビューしたばかりの平井堅にとって彼女のその姿は、諦めてるようにも見えたのかも知れませんね。

夢は叶えるものと歌っていた子が実は諦めて見えていたなんて皮肉です。

あの世のリズムとこの世のリズムとは表裏一体

あの世のリズムとこの世のリズムで踊らせてよ
あの世のリズムとこの世のリズムで踊らせてよ
街に出ればらららとくしゃみして
嘘みたいなシンセが終わりを急かす

出典: 1995/作曲:Hidefumi Kenmochi 作詞:Ken Hirai

誰かの音が終わりを急かす