「オーライオーライ」のMVは名古屋の街をバックに呂布カルマがラップをするというものになっています。

不気味なトラックに乗せて呂布カルマの得意とする独特な詩がくっきりと浮かび上がってくるようです。

呂布カルマのオールバックに柄シャツというトレードマークもその暗い雰囲気にぴったりと合っています。

6eyesとのコラボ!

名古屋のポストパンクバンド、6eyesとのコラボバージョンです。

この6eyesもJET CITY PEOPLEからリリースもしています。

呂布カルマのレーベルからは、HIP HOPだけでなく、ROCKやPUNKのバンドもリリースがなされています。

こちらも呂布カルマのレーベルからリリースされているハードコアパンクバンド「王様ハろばノ耳」のMVです。

呂布カルマのレーベルオーナーとしての懐の広さがうかがえます。

「オーライオーライ」の歌詞を徹底解説!

【オーライオーライ/呂布カルマ】神様がくれた呪文の意味が深すぎる?!歌詞の意味を徹底解釈!MVありの画像

Yeah,ah

もらった瞬間 脳が揺れる
あごの先

俺は笑い事じゃ済ませない物書き

Yeah

おともだちクソガキ
悪党か無邪気

俺のリリックはちゃんとオチのつく
落書き

宝物を隠すように生い茂った草木

車道の隅黒ずみ 固くなった雪

まだ一向に読めない 明日の風向き

出典: オーライオーライ/作詞:呂布カルマ 作曲:呂布カルマ

「オーライオーライ」の歌いだしは観念的な始まりです。

呂布カルマのラップ観を彷彿とさせる、不思議で魅力的なバースとなっています。

kick itなバースに
きんきんに冷えたグラスにグロス

ふとした表紙に沸騰した不幸自慢
クソ以下 それ笑い話のつもりか

都合いい奴は
良い奴じゃねぇがまあいいや

I'm a repeaterおい
余りビビんな

競い合うように皆生い立ちを脚色
客商売くせぇギャグに小便

しょっぺぇ当時を知る友人たちが証言

あいつはいいとこ育ちボンボンでしょって

出典: オーライオーライ/作詞:呂布カルマ 作曲:呂布カルマ

こちらは一転して何かに対する当てこすりのように激しいワードが続きます。

何か、とはヒップホップの歌詞にありがちなゲットーからの成功というお決まりな形式に対する批判にも見えます。

あるいはより視野を広げて不幸な身の上の感傷に浸る一般の人々のことともとらえることもできます。

しかしここで見えてくるのはそれ自体よりも、それと対比する呂布カルマの立ち位置であり、立場の表明のようにもとることができます。

神様が僕にだけ秘密で教えてくれた呪文

世界中の人が幸せになる代わりに
歌うことなくなるよう

神様が僕にだけ秘密で教えてくれた呪文

世界中の涙が笑顔になる
がしかし芸術はくたばるよう

出典: オーライオーライ/作詞:呂布カルマ 作曲:呂布カルマ

このフックといわれるいわゆるサビの部分は一転して抽象的な事象を歌っています。

先ほどまでの意味深で何かを想起させるような言葉の配置とは異なり、それ自体が大きく今までのラップ部分とは反対のより大きな世界のことについて語っているようなバースとなっています。

ここでは「神様が僕にだけ教えてくれた呪文」について語っているのです。

そしてその「呪文」とは、「世界中の人」が幸せになったり、その涙が笑顔になる代わりに音楽や「芸術」はなくなってしまうというものになっています。

これは逆説的に言えば、「歌」や「芸術」が「世界」の不幸や「涙」によって成り立っているということも不可能ではないかもしれません。

この「呪文」から浮かび上がってくるのは、前述のバースにもあったような「不幸自慢」や悲劇的な脚色によって成り立つ「歌」や「芸術」の一側面です。

もちろんそれは一つの側面に過ぎないのかもしれませんが、決してそうではない、あるいは果たしてそうだろうか、というような疑問も聴いた人に思い起こさせるような強烈なフックとなっています。

魂の末端価格下がる一方

狂ったセレブの感覚をIMPPORT

一報 激安ジャングル
シンドローム

あながち無きにしもあらずの陰謀論

いやまだバージンの未亡人
ぎこちない腰つき

ひとりぼっちの時の応急処置
こっち

家出女子中生知らないおじさんと住む

殴った後はいつもすごく優しくなるんです

出典: オーライオーライ/作詞:呂布カルマ 作曲:呂布カルマ

前半からフックへの流れを含みつつ、今度は呂布カルマ自身の言葉で悲劇的な事象を語り始めます。

「不幸自慢」とはまた違った様々なシチュエーションの羅列、しかしそれは嫌な汗を伴うような、リアルな響きをもって耳に迫ります。