転機がニ番で

ボクにも出会いが

斉藤和義【ベリー ベリー ストロング〜アイネクライネ〜】歌詞の意味解釈!気持ちが変化したきっかけは?の画像

正面から歩いてくる髪を束ねた女の人は
連敗続きのこの俺に「いいですよ」と言ってくれた

受け入れられるって嬉しいな!肩の力も抜けてゆく
「立っている仕事は大変ですね」やさしいねぎらいの言葉

出典: ベリー ベリー ストロング/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

空振り続きのアンケートにぼおっとしていたに、ついに応えてくれる人が現われます。

真正面からしっかり見つめるようなその女性は、アンケートばかりか優しく会話までしてくれる!

なんとも言えない笑顔のひと時

この小さな出会いが、やがて大どんでん返しを呼ぶのです。

シャンプーの話

彼女の親指あたりにマジックのメモ書きで「シャンプー」
俺は別に何の気もなくそれを見てつぶやいた「シャンプー」
彼女小さな声で「今日安いんですよ 忘れないように」
その姿可笑しくて

ベリーベリーストロング それが劇的じゃなくても
ベリーベリーストロング 知りたい 絆っていうやつ
ベリーベリーストロング ああ つながってる誰かは
ベリーベリーストロング いま どこに いる?

出典: ベリー ベリー ストロング/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

そして小さなエピソード

手の親指の付け根あたりにちょっと書いちゃうんですね。

現実主義的でさばさばした、割り切った性格のあらわれでしょう。

でも僕は嬉しくて笑っちゃったのです。

リアルでかわいいこの小さなエピソードのなかに、2人をグッと近づけるようなものが潜んでいます。

親指の付け根のかきこみというのは、女性の心のスキ

そこに僕はちょっとジャブをうったわけです。

まるで挑戦者のパンチがチャンピオンの頬にはいったように。

ささいな出来事で、僕と彼女の気持ちが変わってしまったのです。

そして僕はドラマに巻き込まれてゆきます。

さあ三番へ

試合は終わっても

翌日の新聞には 新チャンピオン誕生の文字
お祭り騒ぎのワイドショー知ったかぶりのコメンテーター
コンビニのサンドイッチ買って会社の前で食べ終える

出典: ベリー ベリー ストロング/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

第3ラウンド開始、とおもいきや、場面は翌日です。

挑戦者の日本人ボクサーが勝利し、新聞紙上で笑っています。

新チャンピオンが誕生したのには、どんな意味が隠されているのでしょう?

僕はいつもの通りのルーティンをこなして出社します。

そのあと先輩が登場します。

先輩のエピソード

パソコンに向かう先輩が 今日は少しだけ笑ってる
「夕べ電話で話したんだ ずっと音信不通だったから
 電話でもつながってたのがうれしい」と言って笑った
「どんな風に出会ったんですか」俺は素直に聞いてみる
先輩は少年のように耳まで真っ赤に染めてる
「聞いたら絶対笑うよ」[大丈夫笑いません」
十歳も年上の人がその瞬間まるで同級生
「横断歩道で財布を拾ってあげたのが最初だよ 陳腐だろ」と照れた

出典: ベリー ベリー ストロング/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

先輩は奥さんが家を出たまま。

でも昨夜電話が通じたようです。

繋がれたのがうれしいと素直に顔を赤くする先輩。

離れたと思ったら、また取り戻せたのです

これもまた「絆」

僕は昨日アンケート中に、先輩の話から絆のでき方について考えていました。

横断歩道で財布を拾う、ふうん。

なんだろう、不思議なもの...。

ちょっとした偶然の出会いがここにもある。

偶然ってほんとに偶然なの?

「絆」ってなんだろうと思ってしまいます。

出会いってなんだろう?

僕はまだわからないことだらけなのです。

先輩の話に何かを掴みたくても、よく分かりません

ラストに向けて

斉藤和義【ベリー ベリー ストロング〜アイネクライネ〜】歌詞の意味解釈!気持ちが変化したきっかけは?の画像

ベリーベリーストロング 胸に鳴り響くティンパニー
ベリーベリーストロング 強い絆の話だよ
ベリーベリーストロング ああ つながってる誰かと
ベリーベリーストロング いつ どこで会う
ベリーベリーストロング 会いたい あなたを見つけたい
ベリーベリーストロング まだ気づいてないだけかな
ベリーベリーストロング ああ つながってるあなたは
ベリーベリーストロング もう そばに いる?
ベリーベリーストロング 
ベリーベリーストロング

出典: ベリー ベリー ストロング/作詞:斉藤和義 作曲:斉藤和義

言葉に詰まるようなせつなさが高まってゆくような、ラストのサビの繰り返しです。

ほんとに、だれもがこういうことを想いますね。

強い絆

それはどこにあるんだろう、そんなもの本当にあるのかな

ふと不安になるのです。

でもそれを君はもう見つけたんだよ歌い手は言います。

タイトルにもなった、ボクサーをあらわす言葉。

スクリーン上は強そうなのに、僕はあまりに弱弱しい。

このギャップ自体が物語の眼目であり、人生の綾とでもいうものです。

強く絆を望む気持ちは僕にもあります。

でもそれをどう、表わしたらいいか実現すればいいか、分りません。

ストロングなつながりは、パンチを打ちあいクリンチするボクサーどうしにも生まれるでしょう。

それもきっと強い、日常の平和な暮らしからは想像ができないようなものです。

画面の中の、激しい殴り合いと、僕のささやかな戦い。

僕のフラストレーションと、かすかな希望の蕾

人はときにぶつかり合い、様々な困難をくぐり抜けながら、強い絆を培っていくのでしょう。

最初は小さな出会いだったもの、それがを膨らませてゆきます。

いろんなことを経て強い絆に育っていくのを、まだちっぽけな僕は、待ち望んでいるのです。