「傷」からの解放と新しい苦しみ

Painkillerによって痛みは消えたが…

使用方法 用法・用量にご注意
処方薬 諸症状を治療
保険で予防接種 Don’t Forget!
ズキズキ疼きだす切り傷にパッと作用
ありがとういいクスリです

この安らぎは永遠じゃなくとも

出典: Painkiller/作詞:とも 作曲:TACK朗

ここでは、薬の服用について一般論が述べられています。

このタイミングでなぜわざわざそれを述べるのか、理由は明確です。

主人公は、「痛み」から逃れるために「Painkiller」を服用しすぎてしまい、中毒状態に陥っています。

薬をあえて「クスリ」と表していることも、主人公がドラッグを使用しているという事実を匂わせていますね。 

そして、ここでの「安らぎ」はもはや「痛み」、「苦しみ」からの解放ではありません

ドラッグの服用によってトリップしているその快楽、それが「安らぎ」です。

「終わらない痛み」から逃げるためにドラッグに手を出した主人公。

中毒の地獄にはまってしまった主人公はもはや廃人同然かもしれません。

クスリに溺れた主人公の末路は

君にとっての毒か薬か
安定剤 鎮痛剤 副作用
濫用 依存 中毒 過剰摂取

治らない 変わらない きっと死ぬまで

「馬鹿な僕に付ける薬は無い」と

出典: Painkiller/作詞:とも 作曲:TACK朗

いよいよ最後の歌詞です。

ここまでを踏まえると、「毒か薬か」という表現は非常に警句的に響きます。

はじめは「終わらない痛み」を抑えるための薬として機能していたドラッグ

やがて過剰摂取が原因となり、もはや主人公を苦しめる毒となっているのです。

「安定剤 鎮痛剤」だったものが、「副作用」から「濫用 依存 中毒」という流れを経て「過剰摂取」に。

そして最終的には薬の過剰摂取による死を迎えることが容易に想像できます。

一方でその状況を冷静に判断している自分がいるのも確かでしょう。

もう死ぬまでこのままだという諦めも心の何処かにある、そんな状況です。

最後の1行が、人生を諦めた薬物中毒者の自嘲的な捨て台詞として、リスナーの心に強く残ります。

最後に

歌詞から紐解けるのはここまでです。

結果として、「いい薬」とはドラッグのことだった、ということになります。

では、そもそも「終わらない痛み」の原因は果たして何だったのでしょうか。

主人公は「終わらない痛み」から逃れるためにドラッグに手を出した、と解釈してきました。

しかし、そもそもドラッグが「終わらない痛み」の原因なのではないか、という推測もできます。

つまり、全てはドラッグ中毒者の妄想であるのかもしれません。

「痛み」とはおそらくドラッグの副作用であるいくつかの症状のことでしょう。

さらに重度の中毒になりドラッグを求めてしまうこと。

それらの包括的かつ抽象的な表現なのではないでしょうか。 

痛みから逃れるためにドラッグに手を出したというより、その逆だったのでは無いか、と思えます。

つまりドラッグに手を出してしまったが故に慢性的な苦しみが生まれた…。

という考えが自然であるような気がします。

『HYPNOTIC POISON』

ヒステリックパニック【Painkiller】歌詞の意味を考察!いい薬って?終わらない痛みの原因とはの画像

ヒステリックパニックはミニアルバムHYPNOTIC  POISON』をリリースしています。

アルバムタイトルに「」という単語が入っているのです。

『Painkiller』との間に何かしらの繋がりがある気がしてなりません。

そんな『HYPNOTIC POISON』に収録されている『Venom Shock』を紹介します。

『Painkiller』の歌詞を理解する助けになるかもしれませんので、ぜひチェックしてみてください。

ロックバンド・ヒステリックパニックが2018年10月にミニアルバムをリリースします!その中の1曲「Venom Shock」のMVでは、なんと毒を作っているのですが……意味を解釈します。

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