君にさよなら 電話で告げた
過ぎてゆく季節の中に
会えない時間にも 距離にも 勝てない 僕らがいた
出典: 台風ジェネレーション-Typhoon Generation/作詞:久保田洋司 作曲:馬飼野康二
電話でさよならを告げ、後悔と苦しみに苛まれる僕。
「君のことをいつまでも思っているよ」と過去に自分が発した言葉までも思い出し、心がうずきます。
会えない時間と距離が二人の心を離してしまうという現実にやっと気づいた今。
しかし、既に遅かったのです。
彼女の変化を思い出す
どこか大人びて見えたあれは口紅のせいだって
今ならさまざまに思い当たることもあるが
出典: 台風ジェネレーション-Typhoon Generation/作詞:久保田洋司 作曲:馬飼野康二
彼は今までは彼女のどこか大人びた様子や変化をメイクが原因だと思っていました。
しかし、彼女の今までの過去の行動を振り返り、ようやく気づくのです。
「離れたらもう駄目になるよ」と言ったとき、ふざけたふりをして無理をしてはしゃいでいたとき。
彼女は自分には見えていなかった「何か」を見据え、ずっと悩んでいたのです。それは…。
あの時君が見ていた景色は僕と違った
街を見下ろす丘からあの日君が見ていた「何か」をこのごろ不意にわかった気がするよ
出典: 台風ジェネレーション-Typhoon Generation/作詞:久保田洋司 作曲:馬飼野康二
ふと卒業式の時に2人で景色を見たことを思い出す僕。
なぜ僕の夢は見えないものだったのか、あの時寂しげだった彼女の本当の心境がわかるのです。
僕が見えていた景色
僕が見ていた景色は例えていうなら光り輝く前途。
新生活への期待と、彼女となら頑張っていけるという思いです。
ここで「見えない夢」と表現されているのは、何故なのか。
これは、僕が現実を理想として考え、彼女との未来をただの夢物語として考えていることを意味しています。
これから立ちはだかる遠距離という2人の問題について心配すらしていない僕。
そんな僕の未熟な初々しさもまた、青春のほろ苦さのような情感を誘います。
彼女が見えていた景色
一方、彼女が見ていた景色は朧げにぼやける今後の2人の暗雲が立ち込めた未来。
立ちはだかる遠距離という問題を現実的に捉え、真剣に彼とのこの先を考え、悩んでいました。
単に遠距離が寂しいわけではないことは「離れたらもう駄目になるよ」という彼女の言葉からもわかります。
半ば諦めのような言葉を自ら発する彼女。
傷つく前に彼に現実を悟らせたい、でも好きだから一緒にいたいという葛藤がわかります。
前述の彼女の行動の変化からも、別れを予感しながら無理をして元気に振る舞う切ない心境が読み取れますね。
忘れられない思い
君に出逢った君に恋したこの体の奥にずっと君と見つめていた景色がいつでも流れている
出典: 台風ジェネレーション-Typhoon Generation/作詞:久保田洋司 作曲:馬飼野康二
その後彼女と別れた僕。
しかし、卒業式に2人で眺めた景色をずっと忘れられない僕。
彼女を大切な存在として胸に留め、たとえ記憶が薄れても忘れ去ることはできないのでした。
こうした忘れられない失恋ほど切ないものはなく、お互いの思いを考えると胸が締め付けられます。
新生活で遠距離を経験した人にとっては、特に心に響く歌詞ではないでしょうか。