愛を知る
2017年にデビューした女性アイドルグループ「ラストアイドル」。
オーディション番組から誕生したことでも有名です。
秋元康さんがプロデュースする「究極のアイドルグループ」がコンセプト。
そしてこの「愛を知る」という曲は8枚目のシングルであり、選抜メンバー18人が歌っています。
グループ初のオリコンチャート週間1位を獲得するなど、話題となりました。
この曲は、今生きている意味がわからない人に向けた、メッセージ性の強い歌詞が特徴です。
なぜ生きているのか
暗い世界
生きてりゃいいことあるもんさ
自分のことがずっと嫌いだったんだ
死んでしまいたいと思ってた
やりたいことなんか別に何もなかったし
将来の夢を考えたこともなかった
学校なんかなくなればいい
友達は一人も欲しくない
出典: 愛を知る/作詞:秋元康 作曲:バグベア
歌詞の1行目から、主人公である僕が何かを悟っています。
そして歌詞の2行目からは、とても自分の人生に対してネガティブな印象を持っていることがわかります。
「学校」という言葉からも、まだ僕は学生であり自分の人生に対して悩んでいるのでしょう。
心も病んでいるのかもしれません。
夢も生きる理由もわからない。
生きる意味が見つからなければ、生きる気力がなくなってしまうことは仕方ないことかもしれません。
歌詞の7行目では「友達はいらない」と自ら拒否している様子がうかがえます。
本当に無気力で、きっと希望が見えない、死んでしまったような目をしているのでしょう。
見ている景色もまるで全てがグレーであるように、暗いものだったのかもしれません。
変えなければ
どうして僕は生まれたのか?
命の使い道を(持て余してる)
無駄でしかない膨大な時間と怒りと絶望紛らすには
真夜中 全力で走るしかなかった
出典: 愛を知る/作詞:秋元康 作曲:バグベア
そして歌詞の1行目や2行目から、やはり僕が生きている理由がわかっていないことがわかります。
しかし、自分の今の生き方が「せっかく生まれてきたのにもったいない」という自覚はあるようです。
今の自分の状態を「このままではダメだ、どうにかしなければ」と思っているのでしょう。
おそらく、自分の生き方に対して何も考えていなければ「このままで良い」と思うかもしれません。
しかし、僕は今の自分の生き方を良くないと思っています。
「生きる」ということに向き合ってはいるのです。
だからこそ歌詞の3行目にあるように、怒りや絶望を感じています。
素直になれない、そして生き方をどうにか変えたいのにどうにもできない怒り。
そしてこの先どうなるのか、どうすればよいのか全く光が見えない絶望でしょう。
歌詞の4行目には走る描写があります。
何も考えず突っ走るしかなかったのです。
とにかく走り出して行動を起こせば、何かしら見えてくると僕は思ったのではないでしょうか。
君の存在
出会い
君と出会って泣けて来た なぜか涙が止まらない
心 閉ざしてた僕が 同じ痛みを感じた存在
目の前にいる君を抱きしめたいと思った
これが愛と知って もう一人の自分に気づく
出典: 愛を知る/作詞:秋元康 作曲:バグベア
そしてついに君と出会います。
君と僕は似た者同士、同じような性格をしていたのでしょう。
似た者同士は惹かれ合うもの。
だからこそ出会うことができたのかもしれません。
そして同じ性格をしているからこそ、君が抱えている問題に共感できる部分が多くあったのです。
さらに自分はずっと一人だと思っていて、自分の気持ちは他の人にわかるわけないと思っていた僕。
それでも君は僕に似ているからこそ僕の気持ちをわかってくれたのでしょう。
そんな君を大切にしたいと思ったのです。
おそらく僕にとって初めての感情だったはず。
歌詞の4行目では、そんな「人を愛すことができる新しい自分」に出会ったことが表現されています。
新たな自分との出会いです。
愛する自分
自分が変わるなんて信じられないよ
だけど別人の僕がいる
誰かと話したいなんてありえなかったし
明日のことなんか楽しみにしたことなかった
未来はいつだって憂鬱で
世の中は面倒だと思ってた
出典: 愛を知る/作詞:秋元康 作曲:バグベア