Halo at 四畳半【リビングデッド・スイマー】MVの内容を徹底解説！誰だって磨けば光るはず！

街の景色で印象的なのが、立ち並ぶビルや街灯の光。

たくさんの光が溢れていることで、街の景色が余計にぼやけて見えます。

道を照らすためというには、少し多すぎる光。

この光は少女を含め、人々が失くした心を意味しているのではないでしょうか。

厳しい現実を生きていくなかで忘れていってしまった夢や希望。

そういったものも心に含まれます。

以前は自分の中にあったはずなのに、どこに忘れてきてしまったのだろう。

多くの人は、大切なものを失くしたことにすら、気づいていないのかもしれません。

心を失ったことにも気づかず、人波に流されるように生きている人々。

そう考えると「リビングデッド」になっているのは、少女だけではないのでしょう。

夜の街は光で溢れている。

しかし誰も、そこから自分の光を見つけられずにいるようです。

心を失くしたということは、つまり感情がないということ。

無感情で眺めた景色は、きっとどんな景色も同じに見えることでしょう。

心を失くした少女の目には、すべてのものがぼやけて見えているのかもしれません。

現実味がなく、何もかもが曖昧な世界。

少女は自分の生死すら曖昧なのですから、街の景色がぼやけて見えるのも納得です。

それでも少女は、その曖昧な世界から確かな自分の意思を見つけようと、街を歩き回っています。

光はたくさんあるけれど、どれも自分のものとは思えない。

少女の背後で、光の欠片が舞い散っているシーンがあります。

これは、なかなか自分だけの光を見つけられないでいる少女の苦悩を表現しているのかもしれませんね。

心を失くした少女は、夜の街で自分を取り戻すことができるのか。

溢れる光の中、少女は何かを目指して走り出します。

夜の街を彷徨う少女は、夜空を見あげたり、立ち止まって景色を眺めたりと、さまざまな行動を起こします。

ショーウィンドウにそっと触れるシーンは、少女が過去を思い出している様子でしょうか。

とても短い時間ですが、ワンシーンだけ少女の服がマネキンの服と入れ替わるシーンがあります。

これは自分探しの中で、不意に少女が自分ではない誰かになりたいと思ったからなのかもしれません。

そして、何かに向かって走り出した少女。

たどり着いた場所には、いったい何があったのか。

上を見あげる少女の表情は、少し驚いているように見えます。

きっと少女は、自分なりに何かしらの答えを見つけたのでしょう。

少女が手の平で光の粒を受け止めようとしているシーン。

これは、少女が答えを手にしたことの証なのかもしれませんね。

大サビが歌われる中、MVでは少女が夜の街を見下ろして、両手を広げています。

ここは、少女が映っているシーンの中で、最も光が少ないシーンでしょう。

少女が手にした答え。

それは、光は自分の中にあるということなのかもしれません。

失くした心を探し彷徨っていた少女。

しかし夜の街を歩くうちに、少女は失われたものを徐々に取り戻していたのでしょう。

探していたものは、自分の中で再び輝き始めていた。

それに気づき、少女は暗い夜の世界を丸ごと抱きしめようとしているのかもしれません。

光は見つけるものではなく、自分で磨くもの。

心を取り戻した少女ならきっと、ひとりぼっちの暗い夜も乗り越えていけることでしょう。

『リビングデッド・スイマー』のMVに、明確な答えは出てきません。

それはきっと私たち1人1人に、自分だけの答えを見つけてほしいというメッセージなのでしょう。

自分探しの旅には、ゴールがありません。

そしてそれは、人の数だけ正しさがあるということなのでしょうね。

Halo at 四畳半の世界をもっと知りたいという人に、ぜひ聴いてもらいたい2曲を紹介します。

哲学的な歌詞が魅力の『春が終わる前に』。

悲しみとの向き合い方を教えてくれる『悲しみもいつかは』。

どちらも思わず「エモい……」と唸ってしまうほどの名曲です。

MVで見せるHalo at 四畳半のクールな演奏パフォーマンスにも注目してみてください。