1位通過への執念
RUN FUN RUN I wanna wanna break the tape
全然カッコよくなくても
私らしく駆け抜けたい
出典: RUN FUN RUN/作詞:miwa 作曲:miwa NAOKI-T
1行目のラインを和訳してみます。
「走るって楽しいから走れ。私は本当にゴール・テープを切りたい」
レースを一着で駆け抜けて、ゴール・テープを切ってしまいたい執着心。
そのためには外見になりふり構わず、まず自分らしくありたいのだと歌います。
マラソン・ランナーだけでなく、広く人々に訴えるラインです。
レースは勝負事ですから、勝者と敗者に分かれてしまうもの。
だから、どうしても一着でゴール・テープを切りたいのだと自分を鼓舞します。
他者からどう思われているのかなど気にしすぎては自分自身のポテンシャルを発揮できません。
また他者の真似事をしてゴール・テープを切っても、それは自分の勝利にはならないもの。
背負うものは重いですが、やり抜くためには自分に拘る意地が大切なのです。
42.195kmもスタートが肝心
沿道からの声援を背負って
forty-two point one nine five
軽やかにスタート切る
RUN FUN RUN I'm gonna gonna make it through
私の背中押す声
ゴールへ連れていって
出典: RUN FUN RUN/作詞:miwa 作曲:miwa NAOKI-T
42.195kmを走破するためにまずはスタートから軽快に走ることの大切さを歌います
「走るって楽しいから走れ。私はなんとかやり抜けるのだ」
マラソン・コースの沿道にはたくさんのギャラリーがいて選手に声援を贈ります。
人生もまた同じ。
頑張っている人には誰かの頼もしい応援が得られるはずです。
目標に向かって突き進む原動力となる他者からの応援を背負って、人はゴールを目指します。
ゴールまで届けたいものは自分自身と、それを支える他者の応援にある思いやりのこころです。
miwaの人生もアーティスト活動もまたファンの声援あってのもの。
その声援に込められた思いを背負ってmiwaはゴールを目指します。
自分自身を超えてゆくこと
闘いの相手は自分自身
I’m not running after you but to overtake myself
自分のペース
走る cityscape
輝いて見える
出典: RUN FUN RUN/作詞:miwa 作曲:miwa NAOKI-T
1行目のラインを和訳してみます。
「私はあなたの後を走っているのではない。自分自身を乗り越えるために走っている」
この闘いの相手はあくまでも自分自身なのだと歌うのです。
マラソン・ランナーは孤独な存在なのでしょう。
人、ひとりひとりが根源的に孤独であるようにマラソン・ランナーもまた孤独な闘いをしています。
アラン・シリトーの短編小説集に「長距離走者の孤独」という有名な作品があるのです。
この小説は映画化もされて名作となっています。
「RUN FUN RUN」を聴いて、ふとこの小説のタイトルを思い返しました。
闘いは自分自身こそが相手ですから、走る速度も自分でコントロールしてゆくもの。
人生もまた同じです。
他者のペースに巻き込まれると必ずどこかでパンクしてしまいます。
自分が人生を駆け抜けてゆく際には自分自身のペースを守っていくことが大事です。
そんな充実した時期には、見慣れた街並みも眩しく映るはず。
やはりマラソンの鉄則と、人生の鉄則には深い関連性があります。
走るということや日々を生き抜くことの核心は自分自身を超えてゆくことだ。
それが「RUN FUN RUN」を通してmiwaが歌いたいことです。
ランナーズ・ハイの景色
悟りにも似た瞬間
余計なことなんて全部
忘れちゃうくらい
真っ白な気持ちでいるなら
走りだそう
出典: RUN FUN RUN/作詞:miwa 作曲:miwa NAOKI-T
マラソン・ランナーに固有のランナーズ・ハイと呼ばれる現象があります。
走っている最中に悟りにも似た高次元の精神的な高揚を得る体験のことです。
その際には周囲のことなど構わずに、自分自身が走るべき道が光り輝いて見えるそう。
マラソン・ランナーにしか体験できない精神状態なのでしょうが、充実した人生を送る人は近い体験をします。
周囲からの雑音がシャット・アウトされて、いま自分自身がなすべきことを見極めることができる。
そんな状態にいまあるなら迷うことなく人生を駆け抜けましょう。
なにか新しいことを始めるのに一番適した時期になります。
迷いがないことはとても幸運な状態です。
この時期を逃す手はありません。