友達との関係が色あせてしまう前に…

グラウンドから聞こえてくる部活の声のどれか一つ
クラスメイトがいるけど どの声がそいつなのか 聞き分けることも出来ない
国道のフリクション 流行りのフュージョン 騒めきのどれかこれかに
なってしまうその前に ここに君がいるうちに この夢が覚めてく前に
あと少しだけ

出典: 若気の至り/作詞:高橋優 作曲:高橋優

クラスメイトの声が響く学校のグラウンド。

そのグラウンドの声を聞きながら、主人公はバス停で友達と残された貴重な時間を過ごしています。

なんだか青春っぽさが溢れているシチュエーションですね。

「フリクション」とは、摩擦や衝突という意味。

「フュージョン」は、融合という意味です。

要するに、都会の騒がしい光景を描いているのでしょう。

今は友達に対して熱い思いを抱いているかもしれません。

しかし、ここできちんと自分の気持ちを伝えなければ、淡い思い出となって色あせてしまう。

ありきたりな都会の光景に飲まれて、いつか忘れてしまう。

そんな主人公の気持ちを描いていることが分かります。

2番~ラストの歌詞

カレンダーの裏に落書きしていた主人公

ノートの片隅だと誰かが見るから 終わって切られたカレンダーの裏
こういう風になればいいなと思うの 絵に書いたあとで捨ててた

出典: 若気の至り/作詞:高橋優 作曲:高橋優

ここでは、シーンが変わって、破ったカレンダーの裏に落書きをする様子を描いています。

いつもカレンダーの裏に、自分の夢や理想を落書きしていた主人公。

誰にも見られたくないから、落書きし終わった後、すぐに捨てていたのだということが分かります。

大事なことを伝えようか迷う主人公

今しかないよな 今日のオレンジの中
多分もうそんなにないから 最後のピースやめた方いいかな
カレンダーの裏に任せようかな

出典: 若気の至り/作詞:高橋優 作曲:高橋優

ここで再びバス停のシーンに戻ります。

友達に大事なことを伝えようか、一瞬迷う主人公。

カレンダーの裏に描いた理想や夢のように、友達との関係も運任せにしようかなと思っています。

友達との関係を諦めるのは嫌だ

偉い人が名前をつけていく どの気持ちも2、3文字にされる
苦しいのは 笑いながら 諦められていく

出典: 若気の至り/作詞:高橋優 作曲:高橋優

苦しみ、悲しみ、喜び。

そんな2、3文字で表せるような感情ではなく、もっと複雑な感情を主人公は抱いているのでしょう。

友達との関係もこれでおしまいなのだと言い聞かせて、笑って全てを諦める。

そんなことをするのは「苦しい」と思っていることが分かります。

ポジティブな言葉をかけた友達だったけど…

なんでもないよ 大丈夫だよ きっと笑顔でまた会えるよ
お願いだから今は そんな恐ろしい言葉 掛け合わないままでいさせて
逆さの蛇口 わら半紙飛行機 思い出のどれかこれかに
なってしまうその前に ここに君がいるうちに この気持ち消えてく前に

出典: 若気の至り/作詞:高橋優 作曲:高橋優

友達は気をきかせて「また会えるよ」という前向きな言葉をかけたのでしょう。

しかし、主人公はその言葉さえも辛く感じてしまうようです。

きっと「別れが近い」ということを強く実感する言葉だから、こんなに拒絶しているのだと思います。

友達との関係が"ただの思い出"になる前に、やっぱり気持ちを伝えなきゃ!と感じている主人公。

思い出の象徴として「逆さの蛇口」「わら半紙飛行機」が登場しているせいでしょうか。

不思議と懐かしい気分を味わうことができますね。

主人公にとって"青春を象徴するもの"とは?