男は人生を遊びにかけている「遊びの天才」
ミドルテンポのアゲアゲのダンスナンバー「遊びの天才」。
ひたすら遊んでいるように見せて、人生への問いかけや哲学が詰まった興味深い曲です。
サビで叫ぶちょっと悲しい想いが心に突き刺さるよう。
楽曲の主人公=俺君は、どんな心情で歌っているのでしょうか?
歌詞を徹底的に紐解いていきます。
アゲアゲな言葉に隠された本質に触れてみましょう。
ひたすら遊ぶ俺君 1番のAメロ解説
俺君の朝 1番のAメロ前半
寝起きから酒飲む
好きな曲をかける
朝からオレ踊る
寝てたギャルも起きて笑ってる
出典: 遊びの天才/作詞:エロ神クズお 作曲:Ryuuki Beatz
俺君は根っからのパーティーマンのようですね。
きっと昨日も、クラブかパーティーに行って遊びほうけたのでしょう。
昨晩も飲んだはずなのに、また朝からお酒です。
自分の健康のことなんて、微塵も考えていないのでしょう。
そして自宅でも、クラブのような感覚で踊りほうけています。
昨夜から一緒だった女性もいるようです。
ギャルと言っているので、名前は知らないのでしょう。
行きずりの関係でも、相手も自分も楽しければ問題ない。
俺君の遊び人としての哲学が早くも垣間見えます。
彼なりに人生を謳歌しているのでしょう。
楽しい今日の予定をチラッと確認 Aメロ後半
昨日の夜も記憶ないし
また恵比寿のウェスティンで多分3P
黒髪と金髪の美女2人
肩組みながら飯向かう3人
出典: 遊びの天才/作詞:エロ神クズお 作曲:Ryuuki Beatz
俺君は毎晩のように記憶をなくしているようです。
そして今日はホテルで美女と楽しむ予定。
楽しいことだらけの毎日ですね。
そして、ウェスティンホテルはかなりハイグレードな場所。
そこを利用できるということは、俺君はまあまあお金は持っているのでしょう。
t-Ace自身と完全に重ね合わせているのかもしれません。
普通の遊び人や、売れないラッパーなら、気軽にウェスティンを利用することはできないでしょう。
名前も知らない3人でご飯を食べに行くところも、遊びを通りこしてもはや友愛精神といえなくもないです。
これも俺君なりの人生哲学でしょうか。
破天荒な1番Bメロ
朝から晩まで音楽流して酒片手踊って
ヤリたい子いたら連れて帰る明日死んでもいいぜ
出典: 遊びの天才/作詞:エロ神クズお 作曲:Ryuuki Beatz
1行目は遊び人そのものですが、2行目からはちょっと雰囲気が変わってきます。
こんなに楽しい自分の人生にもう一片も悔いがないという感じでしょうか。
普通の遊び人なら、人生に幕を閉じてもいいという領域まではなかなかいかないでしょう。
俺君はチャラチャラしているように見せかけながらも、どこか達観した一面を持っているのです。
悲しさが募るサビの歌詞
オレに才能なんてない
オレに才能なんてない
オレに才能なんてない
でも遊びに関しては天才じゃん?
金はためない
ハデに生きたい
ウソはつかない
だって人生1度きりじゃん?
出典: 遊びの天才/作詞:エロ神クズお 作曲:Ryuuki Beatz
サビは急展開。
俺君が心情を吐露しはじめます。
彼の過去に一体何があったのでしょうか。
そんな想像をしてしまうような歌詞です。
俺君は過去に夢破れて、自暴自棄になっているのでしょうか。
自分より才能豊かな人たちが、目指す世界で活躍するのを目撃して絶望してしまったのかもしれません。
そして遊びに生きようと思ったのかも。
夢を追ったことがある人なら、思わず共感してしまうようなフレーズではないでしょうか。
俺君の悲哀が伝わってきます。
派手に散りたいと願いながらも、サビの歌詞を聴くと心のどこかに寂しさがあるのではと感じていまうのです。
後半の4行のフレーズは、どこか武士道と通底するところがあります。
やはり俺君は、彼なりの流儀というか、独特の美学を持った人間なのでしょう。
もちろんまだ、究極の遊び人が夢であり目標だという解釈も可能です。
そのストレートな線も残しておきましょう。
いずれにせよ、普通の人を超えた部分があることが伝わってきます。