何百年前から変わらない自意識
何百年経ったって 答えは出ないまま
揃いも揃って 着飾った 自意識わめいてる
出典: ラヴソングに騙されて/作詞:佐々木 作曲:佐々木
人間が自分を良く見せようと誇張して話したりするのは何百年前から変わらないことです。
みんなが自分のために話しているんだから、実は他人の言うことなんてほとんど覚えていません。
要は意味がないことに気を配り過ぎなんです。
そうはわかっていても繰り返してしまうのが人間。
それに気付いて正せている人というのはほとんど居ないのではないでしょうか。
流行りに流されて
何千通りあったって 繰り返しながら
ブラウン管もレコードもすぐに捨てられたよ
出典: ラヴソングに騙されて/作詞:佐々木 作曲:佐々木
新しいものは次から次へと生まれてきます。
そんな中、自分の興味を見定めるのは意外と難しいのではないでしょうか。
お気に入りの曲も最新のテレビも、結局は時代に流されて買ったもの。
「自分が本当に好きなものをわかっている人というのは少ない」
この部分にはそういう意味が込められているように感じます。
ラヴソングには「汚い部分」がない
似たようなラヴソングに騙されて
酷い昨日も今日も明日も許しているんだよ
くだらないラヴソングに踊らされて
中身なんて一つだってあるはずもないのに
出典: ラヴソングに騙されて/作詞:佐々木 作曲:佐々木
ラブソングを聴くとき、歌の内容に自分を重ねて共感することがよくあるかと思います。
しかし、大衆向けに作られた歌には「汚い部分」が描かれることがありません。
恋愛には人に言えないような「汚い部分」も存在するもの。
「ラブソングに共感することで、自分の恋愛も美化しているのではないか」
この部分で歌われているのはそんな内容ではないでしょうか。
アダムとイヴは悲運の物語?
何百年経ったって林檎は齧ってしまうよに
振りかざして 包み込んで 弱者を気取ってってってって
出典: ラヴソングに騙されて/作詞:佐々木 作曲:佐々木
人間の始まりとされるアダムとイヴの話を皮肉ったようなこの部分。
彼らは言いつけを破ってリンゴをかじったことで楽園を追放されてしまいました。
決まりを破ったのは自分たちなのに、悲運の物語のように描かれていると思いませんか?
これは人の習性をそのまま表しているように感じます。
「自分のことを棚に上げて被害者面をする」
これは現代でも頻繁に見かける光景ですね。
みんなやってるから
何千通りあったってぼくらは右に倣うから
目と耳とのーみそだってすぐに捨てちまうでしょー
出典: ラヴソングに騙されて/作詞:佐々木 作曲:佐々木
「他と同じでなければいけない」という人間の固定観念を表したこの部分。
「就職しなければいけない」という考え方などは顕著な例だと言えますね。
本当は就職しない生き方だっていくらでもあります。
そういう選択肢に目を向けず「みんなやってるから」という理由だけでそれに従う。
だったら人間に備わっている考える力はなんのためのものなのでしょうか。