主人公の寂し気な理由がここでも続いています。
曲がりくねった道を今まさに2人で相合傘を差しながら歩いているのでしょうか。
まるで2人がまっすぐに伸びた道を一緒にあるいていけないかのような表現。
歩いている曲がりくねった道が、自分たちのようだと感じています。
あっちにいったりこっちにいったり…。
今までも2人の関係にぎくしゃくした瞬間があったのでしょう。
秋雨の中一緒に相合傘で歩いているこの道が、今はただ悲しさを増幅させているようです。
「一緒にいるのに寂しい」そんな感情が切なく伝わってきます。
この恋が終わるなんて信じたくない
まだ君が好きだから 素直に受け止められずに
この雨に流されてすべてが嘘だと
もう一度微笑んで
出典: Winding Road/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
ここでは主人公が感じている寂しさの理由がそれとなく綴られています。
はっきりとした「別れ」を示唆してはいませんが、この3行で十分伝わってくるのです。
「君」から切り出したであろう別れ。主人公は受け止められずにいます。
突然の別れ話…というよりは、薄々どこかで気が付いていたのではないでしょうか。
「まだ好き」という気持ちがあると綴っているのは、時間の経過を感じさせます。
もしかしたら、前にもそんな話があったのかもしれません。
だからこそ、前述した「曲がりくねった道がまるで2人のよう」だと思えたのでしょう。
しかし残念なことに、今回は「君」の意志が固かった。
ついに修復できないところまできてしまった…という無念さも2行目からは感じ取ることができます。
「嘘だよ」って笑ってくれたらどんなにいいか。
現実を受け入れられない主人公の気持ちが痛い程表現されているのではないでしょうか。
強がって大丈夫なフリをする
深く深く束ねた指をそっと離して
最後に見せた強がり 本当は離したくない
出典: Winding Road/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
想像してみてください。大好きでたまらない人の繋いだ手を放す瞬間を。
今の今まで感じていたその温もりを自ら手放すことで、主人公は「わかったよ」の意思表示。
納得なんてできなくても、もう取り戻すことができないと悟ったからこその行動です。
強がって大丈夫なフリして、本当はすごくつらいのにきっと微笑さえ返したのではないでしょうか。
物わかりのいいフリをして「君」を傷つけまいと精一杯の優しさです。
やっと前に進めそう
ずっとこれからも忘れはしないだろう
君が恋しても僕が恋しても
確かに感じた永遠を
出典: Winding Road/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
うまくいかなくなってしまった恋人との関係を解消することにした主人公。
「君」を責めるでもなく、仕方なかったと納得するしかなかったのかもしれません。
辛い状況を飲み込んで、この別れを受け入れるしかありません。
失って初めて気がつく永遠の愛。
“「君」とならずっと一緒にいられる気がした。”
そんな気持ちなのではないでしょうか。
この先、2人が他人になってお互い新しい恋をみつけても、「君」を忘れることはありません。
それほど主人公は「君」のことを愛していたのです。
寒い冬が来る前に
ただ君が好きだった 気持ちに嘘はないのに
どこかで掛け違えたボタンを外せないままになった
もうすぐ冬がやってくる この指かじかむ前に
やっと今外せてよかった 冷たい風には負けそうだから
温もり残ったままなら終われそうで
出典: Winding Road/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
最後には本音が綴られています。
自分の気持ちは確かだったのになぜこんなことになってしまったのか。
どこかで何かが崩れはじめ、元に戻す努力すらしなかったような印象です。
主人公は高をくくっていたのかもしれませんね。
それでも現実に別れが来てしまい、もう戻ることができないことも受け入れました。
この先主人公がやるべきことはひとつだけ。
掛け違ったボタンを外し、わだかまりなくサヨナラをすることです。
秋雨の降る今でよかったと思うのは、今ならまだ寂しさを乗り越えられそうだからでしょう。
今だったら、優しい秋雨が主人公の涙を洗い流してくれるのです。
着ぐるみが可愛い?!絵本の世界のようなPVをチェック
不思議の国のアリスを彷彿とさせる世界観がまるで物語の中に入ったようなPVです。
最初に映し出されるのは着ぐるみを着た昭仁さん。
横たわり、ただ空を見上げています。
PVが登場した際、この着ぐるみ姿がかわいいと話題になりました。
切ないバラードのメロディーに、優しい昭仁さんの歌声が傷ついた主人公を包み込むようです。
そしてハーモニカと晴一さんの味のあるギターが曲の深みを増しています。
このすべてがマッチしていることで【Winding Road】がさらに美しさを増しているのではないでしょうか。