こんな夜は胸騒ぎしかしないよ
ハートのマシンガン構えて
余裕ぶっこいてる君に
狙い撃ちするのさ
出典: 君のせい/作詞:北澤ゆうほ 作曲:北澤ゆうほ
目を閉じて浮かぶのはどうしたって「君」。
その後「私」は何かを決意したような表情に変わります。
まるで撃たれたかのように君くんがひっくり返りました。
気持ちのいい間奏が入ります。
なぜか一緒に演奏する君くん。
ここまででもう既に1番と思えないほどの君くんのボリュームです。
が、2番以降はさらに勢いが増していきます。
増殖の「君」
「私」も動き出す
今も少し痛む傷
隠してる制服脱いだって
見えもしない本当の心
二人並んで歩いても
微妙すぎる距離感もっと
近づいてよ
出典: 君のせい/作詞:北澤ゆうほ 作曲:北澤ゆうほ
砂浜に書き連ねられる「君」の文字。
これまで受け身だった少女がついに自分から表現し始めました。
防波堤に座っていても君くんが隣に近付いて来ます。
わざわざ距離を詰めて座って来る「君」に、時間差で気づく「私」。
最低な言葉引いてみたりした
可愛そうな女の子ってやつに
ならないための予防線
出典: 君のせい/作詞:北澤ゆうほ 作曲:北澤ゆうほ
カフェで対峙する私と「君」。
ですが「君」はまたすぐに消えてしまいます。
つまりここまできてもまだ現実世界の少女は1人。
少女はいつ君くんと通じ合うのでしょうか。
「君」で溢れかえる
君のせい 君のせい 君のせいで私 Oh
忘れられないことばっか 増えていって困るな
君のせい 君のせい 君のせいで今ね Oh
私は綺麗になるの
出典: 君のせい/作詞:北澤ゆうほ 作曲:北澤ゆうほ
いよいよ「君」の増え方が尋常ではなくなってきました。
君くんのリズミカルな登場と滑稽なポーズがたまりません。
「綺麗になる」のは「君のおかげ」でなく「君のせい」、と表現しているところがポイント。
どこか不機嫌な少女の表情とよく合っています。
君じゃなきゃ嫌だって言いたい
今すぐ Oh
一人きりの夜とずっと
ここで待っていたんだよ
出典: 君のせい/作詞:北澤ゆうほ 作曲:北澤ゆうほ
結末は…?
通じ合う2人の思い
MV中初めて少女が見せる笑顔。
するとあれだけ目に焼き付いてきた君くんの頭が、爆発します。
紙吹雪が舞い、少女は少し驚いたような顔。
インパクトは残したままポップな印象に抑えられていますね。
これはつまり、「狙い撃ち」した結果です。
「君」が心から離れなくなる。思いをつのらせる。考えて、思いを伝える。
そのとき、「君」の文字だけだった顔が「私」の中で具体的な顔に変わったのではないでしょうか。
走り寄るときの映像では、「君」の頭が既に文字でなく男性のものに変わっていますね。
ずっとその人のことを思って歌っていたことは間違いないはず。
少女の笑顔が引き金となって、2人が通じあったのだと踏みます。
また、君くんは元々「私」を好きだったともとれますね。
MV中、ここで初めて二人がまともに向き合っているからです。
爆発という分かりやすい形になって初めて「私」は「君」の感情に気づいたのです。
少女が知らないうちに恋が叶っていた、または叶いそう。
バンドメンバーの笑顔は、それに気づいていたからだと思われます。
思春期のみずみずしい恋の模様を見守る、または応援する立ち位置だったのでしょう。