愛が後押ししてくれる
It’s enough for this wide-eyed wanderer
That we’ve got this far
純粋で好奇心にあふれた奴にはこれで充分だろう
ここまでやってきたんだから
出典: Can You Feel The Love Tonight/作詞:Tim Rice 作曲:Elton John
1行目の歌詞は様々な訳し方があるでしょう。
今回は「2匹の仲間から見たシンバ」の姿をイメージし、このような日本語訳をつけました。
シンバにとって彼らが住む場所は、サバンナとは全く違う未知の世界でした。
見るもの、触れるもの、すべてが新鮮で毎日が刺激であふれていたに違いありません。
きっと2匹の仲間は、様々なことに興味を持つシンバを見て1行目のように感じていたのでしょう。
ここで彼らがシンバに伝えたかったこと。
それは、「これまで様々なことに興味を持ってきたシンバなら愛を感じることができるはずだ」いうことでした。
それまでの生活でシンバは何も恐れることなく様々なことに興味を示し、トライしてきたのかもしれません。
だからこそ仲間たちもそんなシンバの力強さを感じ、それを信じてこのような想いを抱いたのでしょう。
愛を伝えた理由
何を忘れるのか
And can you feel the love tonight?
How it’s laid to rest?
今夜愛を感じることはできるかい?
どうやって終わりにしようか?
出典: Can You Feel The Love Tonight/作詞:Tim Rice 作曲:Elton John
2行目、「lay to rest」にはいくつかの意味があります。
1つが埋葬する・葬る、もう1つが終わりにする・忘れ去る。
ここではおそらく、後者の意味でしょう。
終わりにしたいもの。まず1つは、父の死という悲しみに囚われ続けている状態です。
楽しく遊び暮らしているように見えて、心の奥底にはずっと父の死がありました。
忘れるのではなく、あくまでも「終わりにする」ということは、その悲しみから抜け出すということでしょう。
さらに悲しみから抜け出すことで、「愛を感じられない状態」も終わりにすることができます。
悲しみに打ち勝ち、愛を感じることでシンバはエネルギーに満ち溢れるでしょう。
そうすることで現在の王による支配を終わりにし、平和を取り戻せるかもしれません。
そんなたくさんの意味を込めた歌詞のように感じられますね。
王国への愛
It’s enough to make kings and vagabonds
Believe the very best
王様や放浪者に信じてもらうにはそれで充分さ
愛が1番だって
出典: Can You Feel The Love Tonight/作詞:Tim Rice 作曲:Elton John
1行目最後にある対照的な表現は、どちらもシンバのことを指すといえそうです。
シンバの父は殺される前、シンバへの王位継承を約束していました。
結局のところそれを快く思わない王の弟に殺されてしまったわけですが、本来シンバが王なのです。
ただ実際のところ、シンバはサバンナを離れてふらふらと遊び暮らしています。
それが「放浪者」という歌詞に込められた意味でしょう。
つまり1行目の歌詞は「本来シンバがあるべき姿」と「現在のシンバの姿」が綴られていることになります。
It’s enough to make kings and vagabonds
王様でもあり放浪者でもあるシンバに信じてもらうにはそれで充分さ
出典: Can You Feel The Love Tonight/作詞:Tim Rice 作曲:Elton John
先程の解釈を含めた和訳はこのようになります。
愛は様々なエネルギーを生み出す根源になり得る感情です。
ナラはシンバに愛の力を感じてもらうことで、悲しみに打ち勝ち王国を救ってくれることを期待したのでしょう。
シンバには自分が生まれた国、そして父が立派に守った国への愛を思い出してほしかったのです。
シンバが乗り越え掴むもの
自然の決まり事
There’s a time for everyone
If they only learn
誰にでもきっとその時間は訪れる
彼らがそれを学ぶ瞬間がね
出典: Can You Feel The Love Tonight/作詞:Tim Rice 作曲:Elton John
生きていれば、身の回りで様々な出来事が起こります。
それに知らぬ間に巻き込まれてしまうことだってあるでしょう。
シンバは自身の叔父に父を殺されていますが、実は叔父の妬みに火をつけたのもシンバ自身でした。
しかし幼いシンバはそんなことに気がつきません。
それぞれが抱く見えない感情。
それがポジティブなものばかりではないことは生きる過程で学んでいくものです。
シンバも父の死という大きな出来事とともに、これらのことを学んだに違いありません。