時代を超えた大女優

見事なスローバラード

Candle in the Windは1973年にElton Johnが発売したアルバムに収録されていた曲です。

やがて、この曲はシングルカットされ多くの人の哀悼の念を抱かせました。

曲の出だしのピアノのメロディ。終始、落ち着いたテンポ。

Candle in the Windは、聴く人の耳を傾けさせる見事なスローバラードの曲なのです。

そして、この曲が取り上げた人物こそ、世紀の大女優、マリリン・モンロー

3分46秒の演奏時間は、はかないながらも大輪の花を咲かせた彼女の人生を称えています

不世出の大女優

Candle in the Windは、20世紀最大の女優、マリリン・モンローの短い人生を称えた曲です。

マリリン・モンローは、誰の目にも疑う余地のない、当時の大スター。

ハリウッドで最も成功した女優であり、華々しいゴシックも後を絶たない絶頂ぶりでした。

それならば、どうしてこのような感傷的な曲がこれほど似合うのでしょうか?

もっと羽目を外した破天荒な曲でもよかったのに。

しかし、そこには大女優だからこそ、人に言えない苦しみがありました。

不世出の大女優も、実は幸せを願う一人の女性だったのです。

このような思いを、Candle in the Windの歌詞は包み隠さず告白していきます。

では、歌詞の出だしをみていきましょう。

ノーマ・ジーンとは誰?

Elton Johnの思い

Goodbye, Norma Jeane
Though I never knew you at all
You had the grace to hold yourself
While those around you crawled

出典: Candle in the Wind/作詞:Bernie Taupin 作曲:Elton John

「Candle in the Wind」の歌詞の始まりは、ノーマ・ジーンへの惜別です。

この曲は、Elton Johnの思いを歌詞にしているのです。

和訳はこうなります。

さようなら、ノーマジーン
私はあなたをまったく知りませんでしたが
あなたは自分を抱く恵みを持っていた
あなたの周りの人々がクロールしている間

出典: Candle in the Wind/作詞:Bernie Taupin 作曲:Elton John

Candle in the Windが取り上げている人は、間違いなくマリリン・モンローでした。

しかし、歌詞には一度もその名前は登場しません。

出てくるのは「ノーマ・ジーン」。そう、マリリン・モンローの本名です。

Candle in the Windは、大女優を称えているようで、実は素の彼女を取り上げているのです。

しかし、Elton Johnは歌詞の中で一度もノーマ・ジーンを使いませんでした。

大女優を演じきった天才

名声を博してからのモンローには、いつも蟻のように取り巻き連中があふれていました。

しかし、彼女はその喧騒をどこか白けた気持ちで接していました。

というか、彼女の心の中にはたまらない叫びがあったのです。

「私は、こんなにちやほやされる人間ではないわ」。

Elton Johnは、そんな思いを訴えたかったのです。

私は、モンローを演じ切る

They crawled out of the woodwork
And they whispered into your brain
They set you on the treadmill
And they made you change your name

出典: Candle in the Wind/作詞:Bernie Taupin 作曲:Elton John

歌詞の5行目からはマリリン・モンローとして生きる決断を歌っています。

映画女優として生きることを決意した思いが記されます。

和訳しますと、こうなります。