6thシングル「旅立ち」カップリング曲
GReeeeNの「東南西北~全員集合!!!!~」は、6thシングル「旅立ち」のカップリング曲です。
明るくて楽しい、GReeeeNらしい曲ではないでしょうか。
「東西南北」という方角を示す言葉から、全国から人々が集まってくるような雰囲気を感じさせます。
そう、この歌詞は実際に日本各地を描いているのです。
中には方言も登場しているので、その地域がふるさとである人は懐かしくなるかもしれません。
更に「東南西北~全員集合!!!!~」はGReeeeNメンバーの自己紹介という側面も兼ねています。
福島で結成した4人は、どのような気持ちで音楽活動をしているのでしょうか。
彼らの真意が垣間見られる、この曲の歌詞を見てみましょう。
最初は沖縄
「東南西北~全員集合!!!!~」は日本各地の地方をそれぞれ歌っています。
ただし、GReeeeNの結成地である東北やその北にある北海道は登場しません。
歌詞に出てくるのは関東から沖縄まで。
GReeeeNは福島で結成されましたが、メンバー4人の出身地は全国に散らばっています。
つまり、各メンバーの出身地を歌っているのですね。
北海道出身者はいないので、この曲に登場しないのも納得できるでしょう。
まさに日本の「東南西北」から集まってきたチームといえます。
4人のふるさとは、彼らの目にはどのように映っているのでしょうか。
また、GReeeeNといえばパート分けも魅力です。
歌詞と一緒に各パートも紹介しましょう。
日本全国に散らばるGReeeeNの原点
全員:
4本MIC 全員集合!
92:
琉球!
SOH:
九州!
navi:
関東!
HIDE:
関西!
全員:
必然的に ハイ、注目! 東北で生まれたこの『音』
出典: 東南西北~全員集合!!!!~/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
このフレーズは、曲の中で4度登場します。
歌詞の「東南西北」の意味を端的に表す、非常に重要なポジションにある部分でしょう。
1行目の「MIC」とは「マイク」のことだと思われます。
GReeeeNのメンバーは計4人なので、マイクの本数も当然4本です。
そしてメンバー4人が、それぞれ日本の地域名を挙げます。
この地域名を叫ぶメンバーの割り当ても、もちろん意味があるでしょう。
92さんは沖縄県の出身ですし、SOHさんは九州で生まれ育ちました。
naviさんは宮城県に生まれましたが、育ったのは関東の千葉県です。
最後にHIDEさんは大阪出身。
要するに、各メンバーが自分の出身地を言っているというわけです。
92さんは「沖縄」ではなくかつての呼び名だった「琉球」と呼んでいるのにもこだわりを感じられます。
こうして考えると、GReeeeNは全員出身地がバラバラなのが分かりますね。
この地域の割り当ては、この後の歌詞にも影響しています。
沖縄に九州に関東と関西で大きくなった4人は、東北である福島でGReeeeNを結成しました。
全国から集結して、また違う場所でグループが始まる。
日本のいたる場所でGReeeeNの原点があったのでしょう。
気が付けば30歳目前の自分たち
全員:
大人に成りたくない4人 歳はとりたくないのに
ピーターパン どうも今日この頃 見えなくなってきたよ!?
とうとう
出典: 東南西北~全員集合!!!!~/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
4人とも大人にはなりたくないようです。
大人になりたくない・子供のままでいたいというのは、誰もが持つ一面でしょう。
歳をとっても大人になれない人は「ピーターパン症候群」と呼ばれます。
しかし、この4人の場合は少し違うかもしれません。
大人になっていくことに嫌悪しているのです。
現実的ではないものを信じられる無邪気さを失ってしまうのが嫌なのではないでしょうか。
ピーターパンの映画でも、子供たちはピーターパンの存在を信じていました。
しかし大人になれば、現実ばかりに目が向いて夢を見ることがなくなってしまいます。
ピーターパンが見えなくなってきているのも、夢を見ることを忘れつつあることを表しているのでしょう。
4人が大人になってきている証です。
しかし、本人たちはそれを望んでいません。
夢を見続けられる方が明るい気分でいられますし、音楽を制作するのも役立ちそうです。
音楽に限らずモノづくりは、子供のような独特な視点が役に立ちますからね。
それでも年をとっても子供でい続けることは、実はかなり難しいのでしょう。
沖縄の国際通り
92:
国際通りど真ん中で お婆長年 レコード店経営
お袋ピアノの先生で 良い経験得れた 今は青年
ウチナー飛び出たこの人生 今年で7年未だ新鮮
グシバのワラバ 今3歳(みっつ)ですけど 悔いは残さない!
いざ!Big Name!!!
出典: 東南西北~全員集合!!!!~/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
最初は沖縄出身の92さんのパートです。
彼の出身地である那覇市で有名なものといえば国際通りでしょう。
お婆さんや母親のくだりは、92さんの実家のことを話しているのかもしれません。
小さい頃から音楽に慣れ親しんでいたことが分かります。
「ウチナー」とは沖縄本島を表す方言で、「うちを飛び出した」のようなニュアンスではないでしょうか。
このアルバムを出したのが、92さんが沖縄を出て7年目のことなのですね。
7年と聞くと長いような気がしますが、まだまだ新しい発見がたくさんあるようです。
4行目も沖縄の言葉がありますが、これは「友達の子供」という意味なのだとか。
つまり、「友達の子供は今3歳」という意味になります。
自分が音楽活動をしている内に、故郷の友人は結婚して子供が生まれていたわけです。
自らが、多くの人が通る「普通の人生」とは外れたことをしているのを感じているのでしょうか。
結婚もせず音楽活動に邁進しているのですから。
それでも、「あの時故郷で結婚していれば良かった」と後悔しないように頑張ることを誓っています。