「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」で跳ねる
miwa自身の生きる道
2013年5月22日発表、miwaの3作目のアルバム「Delight」収録曲「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」。
オリコン・アルバム・ランキングで初登場1位を獲得したアルバムの中の1曲です。
アコースティック・ギターを抱えた少女というmiwaのパブリック・イメージを覆します。
miwaがこの曲で挑戦したのがラウドロックです。
タイトル「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」がサウンドも歌詞もすべてを象徴しています。
ライブではポール・リード・スミスの高級エレキ・ギターを抱えてラウドロックを響かせるmiwa。
先頭に立って自分で道を切り拓いていく女性の姿を力強く歌っています。
パワフルでありながら繊細な気配りもうかがえてとても勇気が出る楽曲です。
シングル・カットはされていませんが、miwaのアザー・サイドを魅せる代表曲でしょう。
この曲「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」の歌詞を紐解いて解説いたします。
それでは実際の歌詞を見ていきましょう。
あなたの価値基準を信じて
見事なギター・プレイ
(Stop)
(What should I do?)
例えば不満を並べ うまくいかないと嘆いても
そこから何も生まれないわ
Want you to know why I say you can be better
誰かのものさしじゃ測れない
あなたの頭ん中 胸ん中 腹の底も
出典: LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~/作詞:miwa 作曲:miwa Naoki-T
この曲のレコーディングでは冒頭のタッピング(ライト・ハンド)奏法は別のギタリストが弾いています。
しかしライブではNaoki-Tの勧めでmiwaが演奏するのです。
中々、見事な演奏で華があります。
ライブ会場もこの曲になると一体となって盛り上がる様子が見受けられるのです。
DVDなどの映像メディアで発表されていますのでファンの方はチェックしてみてください。
miwaのギターが歪み全快であることだけでも熱く上がります。
愚痴るだけでは何も変わらない
miwaは不満を愚痴るだけで生活を変えようとしない人へ火を焚きつけようとしています。
「不満を抱いている人に不満を持っている」
そんな印象すらあるとても強い言葉です。
あなたの日々はこれからもっとよくなるって私がいっている理由を知って欲しいと歌います。
誰もが自分の価値基準を大事にしてゆくことの大切さに気付いて欲しいのです。
こうした主張を歌い切るにはラウドロックがぴったりだと考えたのかもしれません。
歌詞が先か曲が先かまでは分かりませんでした。
曲と一緒に歌詞も誕生したような勢いの良さを感じさせます。
他人の価値基準ではなく自分の心の赴くままに動いてみてと挑発するのです。
頭脳、心のうち、本音を隠しているところでも自分がクリエイトした価値を信じよう。
「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」の歌い出しはこのような感じです。
私たちのゆずれないもの
心だけは誰にも預けられない
例えば失うことで 得られるものがあるんだとしても
ゆずれないものひとつあるの
出典: LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~/作詞:miwa 作曲:miwa Naoki-T
自分を犠牲にすることでつかめる幸福もあるかもしれません。
しかし大事な心とその価値までも奪われてしまっては生きている意味がないと歌います。
私たち人間にとっていちばん大切な人は自分です。
少しエゴイスティックに響くかもしれませんが、自分を大切にできない人は他人のことも粗末にします。
他者への愛を育むためには、まず自己愛をきちんと育てて愛することの意味を知る必要があるのです。
自己愛が守り抜くものは外見ではありません。
内面、それも心と呼ばれるものです。
心を他人に預けてしまうと自律性を失った人間になってしまうでしょう。
自分の心を持ち続けることはときに負担を感じるものです。
決定・選択を他人の判断に任せてしまう人は本当の人生を歩んでいるとはいえません。
「LOUD!~憂鬱をぶっとばせ~」でmiwaは何度も言葉を変えて心の大切さを強調します。