嫌いな奴らに…

遣り切れないのは
We're are two of a kind
I was noticing that
堕ちていく
敵に回れば破が産まれ
ご機嫌取って またかみ任せ
踊らされたままで流れてく
全てはかみのみぞ知る

出典: 悪戯/作詞:さなり,SKY-HI 作曲:さなり,SKY-HI

まず英語の部分を和訳してみましょう。

僕たちは似た者同士

僕はそのことに気が付いていたんだ

いったい誰に似ているというのでしょうか。

この答えを探るうえでヒントになりうるのが、1行目と4行目の歌詞

主人公にとってその誰かと似ていることは、受け入れがたい事実のようですね。

さらに続けて歌詞を探っていくと、5-6行目でもその似ている誰かとの関係性が描かれています。

主人公にとってその相手は顔色を窺いながら接しなければならず、さらに歯向かうと厄介な存在とのこと。

これらのヒントから考えると、似ている誰かとは「大人たち」ではないでしょうか。

まさに「世の中にあふれる一般的な人たち」ということです。

夢を追う主人公にとってそんな大人たちは、1番なりたくない存在でした。

それでも希望を失いかけている主人公にとって、残された道はただ1つ。

その大人たちに同化して生きていくだけなのです。

結局世の中の思い通りにされているではないか。結局世間に流されているだけではないか。

そんなフラストレーションを抱えながら、運命に翻弄され続けているのでしょう。

なりたくない大人たちの日常

午前零時 眠らずに夢を見る
壊れ切ったブレーキ進み出す全員
気づかぬように 気づかれぬように
不安感すらなく進む道のり
結局同じようなEND
だけど前を向くのさみな真剣に
夢現 目に見える新天地
疑うべきは噂の震源地

出典: 悪戯/作詞:さなり,SKY-HI 作曲:さなり,SKY-HI

これまでとは少し変わって、ここでは主人公以外の様子が描かれています。

朝早くから働き、そして日付も変わるくらい遅い時間に帰宅する毎日。

疲労困憊であるはずなのに、その気持ちに蓋をしながら人々は毎日同じ行動を繰り返すのです。

なぜ何も疑わず、そして飽きもせず毎日繰り返すことができるのか…。

それはきっと、繰り返していれば道を間違える心配がないから。

周りの人たちと同じように日々を繰り返した先には、同じような未来しか待っていません。

人々はこの事実に気が付きながらも、その道から外れようとはしません。

そのかわりに、その狭い道の中で必死に希望を描こうとするのです。

主人公はそんな様子の人々に対し、7行目で辛辣な言葉を向けています。

神に訴えかける主人公

訴えたいことは

God's Lambs
Where are you at now⁇
遠く 遠く 見えない方に
God's Lambs
Who's outcast⁇
知らない 知りたくもない
God's Lambs
Where's the Love⁇
遠く 遠く 奥の方に
God's Lambs God's Lambs
見たくないものばかり溢れて流れる

出典: 悪戯/作詞:さなり,SKY-HI 作曲:さなり,SKY-HI

英語部分の訳は以下の通りです。

神の子羊よ

お前はいまどこにいる?

神の子羊よ

追放された奴は誰だ?

神の子羊よ

愛はどこだ?

神の子羊 神の子羊よ

英語での問いに対し、日本語で返答するというやり取りが複数回続いていますね。

ここで複数回登場している「神の子羊」というのは、イエス・キリストのことを指しています。

つまりこの部分も前半に引き続き、僕から神様に向けて訴えかけている場面だということです。

受け入れたくない事実

希望のないこの世界で、自分自身が追い続けていた夢の存在さえ危うくなってしまいました。

主人公だけの力ではどうすることもできず、さらにすがってきた神様も結局助けてはくれなかった。

怒りや失望。そんな感情を抱いたことでしょう。

これまで丁寧に扱っていた神様に向かって、ここで急に乱暴な言葉を放っていることからも明らかです。

神様だけはこの現実が嘘だと否定してくれると思っていたのに…。

そのような気持ちだったに違いありません。

変えられない現実

遣り切れないのは
We're are two of a kind
I was noticing that
堕ちていく
敵に回れば破が産まれ
ご機嫌取って またかみ任せ
踊らされたままで流れてく

かみのみぞ知る

出典: 悪戯/作詞:さなり,SKY-HI 作曲:さなり,SKY-HI

主人公は夢を叶えるため、住み慣れた故郷を離れて上京してきました。

ここにくれば夢が叶えられるに違いない!

そう望んでいた街で見たものは、結局変えられない「現実」だったのです。

自分はつまらない大人たちにはならない。夢を叶えて、周りの人とは違う存在になるんだ。

そう意気込んでいたはずなのに、気が付けばなりたくなかった大人たちに流される日々。

当然その場限りの信仰心なんて通用するわけもなく、最後にすがった神様にも見放されてしまいました。

結局世の中の思い通りに生かされている自分自身にうんざりしながらも、抜け出す方法は見つけられていません。

助けてはもらえないけれど、自分の人生は支配されたまま…。

変えようのない現実を諦め、神様に委ねるしかない人生。

それを仕方なく生きていこうとする主人公の嘆きで、この曲は締められています。