そう思わないですか?
夕暮れどきはさびしそう
とっても一人じゃいられない
出典: 夕暮れどきはさびしそう/作詞:天野滋 作曲:天野滋
主人公の気持ちは、やるせなさと淋しさで、いっぱいなのです。
一人でいることがこれほど淋しいとは。
きっと、回りの人もみんな、同じ気もちなんだろう、と思うのです。
だって、それが夕暮れどきに感じる人々の思いのはずだから。
「みんな、そう思わないですか?」。
主人公の、声にならない心の叫びが描写されています。
そのあとに、主人公のいたたまれない気持ちが一気に綴られます。
ああ、魔法が使えたら…
夕焼け雲さん、お願いします
夕焼け雲さん伝えてくれよ
あの娘のお部屋の窓際へ
出典: 夕暮れどきはさびしそう/作詞:天野滋 作曲:天野滋
夕焼け雲さん、どうか私のお願いを聞いてください。
大好きなあの娘のお部屋の窓際に、声を届けてほしいのです。
今、僕がいる夕暮れ近い、この堤防に来てほしいのです。
夕焼け雲さんの、魔法でなんとかしてください。
ただ、じっと肩を並べて座っているだけでいいのです。
主人公の、淡いがしかし、切実なる思いが伝わってきます。
携帯電話のない時代、今すぐ「会いたい」、と伝える手段はありません。
だから、魔法の力を使って、彼女に伝えたいのです。
そのあとにも、主人公の人の好さをしのばせる歌詞が続きます。
肩を並べたいだけなんです
虫にさされるのはいやだけど
肩をならべていたいよと
出典: 夕暮れどきはさびしそう/作詞:天野滋 作曲:天野滋
虫に刺されるけれども、我慢してほしいんです。
だって、ここは僕のとっておきの場所だから。
そう、この虫に刺される堤防は、主人公のお気に入りの場所です。
この場所で、大好きなあの娘と肩を並べて座っていたいのです。
歌詞から想像するに、本当に気の優しい高校生なのです。
そんな思いが、主人公の人の好さをしのばせます。
そして、このあとの歌詞も主人公の切々とした思いがつづられます。
やった!願いがかないました!でも…
彼女が現れました!
こんな河原の夕暮れどきに
呼び出し出したりしてごめんごめん
出典: 夕暮れどきはさびしそう/歌詞:天野滋 作曲:天野滋
すると、夕焼け雲さんの魔法のおかげで彼女が現れたのです。
でも、ここから、主人公は想像を超えるくらい彼女に謝ります。
「突然、こんなところに呼び出したりしてごめん」。
「ごめん」を何回も繰り返します。
主人公は、気の弱い恋愛経験のない高校生。
いざ、という場面に遭遇して、あわてふためきます。
こんなはずでは…
笑ってくれよウフフとネ
そんなにふくれちゃいやだよ
出典: 夕暮れどきはさびしそう/歌詞:天野滋 作曲:天野滋
「そんなふくれ顔をされたら、どうしたらいいのか分からないよ」。
「ウフフ」と、いつもの笑顔をみせて欲しい、という気持ちでいっぱいなのです。
主人公は、いつも彼女の明るい笑顔を学校の中で見ています。
だから、自分の前に現れた時も、きっと笑顔でいてくれると、思い込んでいました。
でも、違う。いつもの彼女じゃない。主人公は途方にくれます。
ここでつなぎの歌詞を挟んで、更に主人公の思いがはじけていきます。
オカリナの悲しい調べが、主人公の心を映します。