1975年に発売
発売当初はあまり売れなかった
『仁義なき戦い』シリーズや『ギターを持った渡り鳥』などの映画出演で有名な小林旭さん。
生まれは1938年ですから大御所ですね。
小林さんは俳優としても歌手としても成功をおさめています。
今回紹介する『昔の名前で出ています』は、小林さんの代表曲。
発表は1975年。
今でも人々に愛され、歌われ続けている曲ですね。
しかしこの曲の発売当初は、あまり売れ行きが良くなかったそうです。
発売当時の1975年1月以降暫くは鳴かず飛ばすだったが、小林自らが全国のキャバレーなどをドサ回りするなど地道にプロモーションを続けた結果、2年後の1977年に入ってから徐々に売り上げを伸ばし、ロングセラーとなった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/昔の名前で出ています
上記に引用した通り、小林さんが自らプロモーション活動をしていたのです。
その甲斐あってか『昔の名前で出ています』は大ヒット。
なんと200万枚以上売れたらしいです。
ちなみに小林さんは、1977年の「第28回NHK紅白歌合戦」にこの曲で出場しています。
「昔の名前」とは?
いわゆる「源氏名」のこと
まずはじめにタイトルの意味を考えてみましょう。
タイトルにある「昔の名前」というのは、いったいどういう意味なのでしょうか?
すぐ思い浮かぶのは「旧姓」。
「旧姓」というのは一般的に、女性が結婚する前に名乗っていた「苗字」のことです。
ただ、それでは後から続く「出ています」と文脈が合わないですね。
とすると「昔の名前」というのは「源氏名」のことなのではないでしょうか?
主人公の仕事はホステス
全国津々浦々、仕事で渡り歩いた主人公
『昔の名前で出ています』の主人公は女性。
「昔の名前(源氏名)」を持つ女性ですから、どういう仕事に就いていたか想像しやすいです。
おそらく主人公はスナックのホステス。
彼女は若い頃からホステスをし、日本全国さまざまな地域を渡り歩いたのでしょう。
この曲の歌詞は後述しますが、主人公の地元は横浜。
そして、彼女がはじめて勤めたスナックは、地元横浜のスナックだったのではないでしょうか?
そこである男性と出会う。
ある男性とは、歌詞中に「あなた」として登場する人物です。
彼女の勤めているスナックに来店した「あなた」。
「あなた」は主人公を指名する。
何回か来店する「あなた」。
そのたびに主人公を指名します。
「あなた」は彼女に気があったのでしょう。
主人公もまんざらではありません。
主人公はいけないことと知りながらも、話しているうちに「あなた」が好きになる。
しかし、何らかの事情で主人公は勤めていた横浜のスナックを辞めます。
そして、ほかの地域のスナックへ勤めることとなったのです。
「あなた」と別れることになった主人公。
この時点で、主人公と「あなた」はどういう関係だったのか気になりますね。
『昔の名前で出ています』を聴いてみよう
小林さん独特の歌唱が光る
動画はいかがでしたでしょうか?
小林さんの貫禄たっぷりな風情に圧倒されてしまいますね。
高めのキーでコブシをきかせながら歌唱する小林さん。
低いキーから高いキーへ移行する時の盛り上げ方が良いです。
コブシも過剰に入れるのではなく、要所に入れていますね。
少しハスキーな声が、男性としてのセクシーさを醸し出しています。
若いときは端正な顔立ちで銀幕を飾った小林さん。
この曲を歌ったのは、小林さんが37歳のとき。
若すぎず、かといって年配過ぎず、ちょうど良いときにこの曲を歌ったと思います。
そして現在でも端正なルックスは健在。
それにあいまって、ダンディーになっています。
日本の俳優の中で「渋さ」を武器にしている俳優は大勢いると思います。
その中でも小林さんは五本の指に入るのではないでしょうか。