心に響く名曲とは?!
なぜか分からないけれど、胸がギュッと締め付けられる。
なぜか分からないけれど、自然と涙が流れてくる。
音楽には、そんな不思議な力があります。
そんな楽曲を世の中では、「心に響く名曲」と言うのではないでしょうか。
あなたにもそんな1曲がきっとあるはずでしょう。
今回は、心に響く名曲として話題の1曲であるコトリンゴの「悲しくてやりきれない」を紹介していきます。
「悲しくてやりきれない」という名曲
元々は○○の曲?!
今回紹介するのは、コトリンゴの「悲しくてやりきれない」と前述しましたが、実はこの楽曲は、コトリンゴの楽曲ではないのです。
では、誰の楽曲かと言うと、ザ・フォーク・クルセダーズの楽曲なのです。
元々は、1968年3月21日にリリースされた彼らの2枚目のシングルに収録された曲で、2018年現在、原曲のリリースからはすでに50年の時が経っています。
そんな50年も前の楽曲ですが、なぜ今、こんなにフューチャーされているのでしょうか?
これだけ長い期間愛されているのには、きっと何か理由があるはずです。
それでは、次にこの楽曲がどれほど愛されているのかに触れていきましょう。
名曲を数多くのアーティストがカバー!
「悲しくてやりきれない」がどれほど愛されているのか、それを証明する1つに数多くの著名アーティストがカバーしているということが挙げられます。
ここでは、その中でも特に著名な2人のカバーを紹介します。
まず紹介するのは、吉田拓郎によるカバーです。
- 吉田拓郎「ぷらいべえと」
吉田拓郎によるカバーは、1977年4月25日にリリースされた7枚目のアルバム「ぷらいべえと」に収録されました。
このアルバムは、吉田拓郎にとって初めてのカバーアルバムで、このアルバムの10曲目に「悲しくてやりきれない」は収録されています。
今となっては、カバーアルバムのリリースって普通ですよね?
しかし、この時代にはスタンダードにはなっておらず、ましてやこだわりの強い吉田拓郎にとってカバーというのは、なかなかハードルの高いものだったのではないでしょうか。
ここで気になるのが、それでもなぜカバーアルバムをリリースしたのか?です。
これには、実は吉田拓郎の男気が絡んでいるのです!
というのも、当時、所属していたレーベルが経営危機に瀕しており、社員を救うべく売れる1枚がどうしても必要でした。
ここで男気を発揮したのが、吉田拓郎!
新曲のストックもない中で、何でもいいという要望のもとに搾り出したのが、このカバーアルバムなのです。
結果的には、オリコン週間チャートで首位を獲得し、この年のレーベルのリリース作品の中で一番の売上を叩き出し、レーベルを救いました。
このように、セールス面で大きな結果を出したことにより、「悲しくてやりきれない」も多くの人に聴かれるきっかけになったのではないでしょうか。
さらには、奥田民生によるカバーも紹介します。
- 奥田民生「花になる」
奥田民生によるカバーは、2002年3月20日にリリースされた13枚目のシングルによってなされました。
カバーアルバムでも表題曲でもないですが、カップリング曲として3曲目に収録されています。
このシングルは、オリコン週間チャート8位という記録を残しています。
2002年と言えば、奥田民生は東京スカパラダイスオーケストラのシングル「美しく燃える森」に、ゲストボーカルとして参加したのが印象的な活動ではないでしょうか。
1994年にソロ活動を開始し、8年経ってさらに活動の幅を拡げている時期で、「悲しくてやりきれない」のカバーも彼にとっては新しいチャレンジの1つだったと想像することができます。
それでは、次にコトリンゴのカバーバージョンは一体どのようになされたのかに迫っていきます。
コトリンゴバージョンはどんな感じ?
コトリンゴによるカバーは、2010年9月22日にリリースされたカバーアルバムである「picnic album 1」によってなされました。
「悲しくてやりきれない」は、このアルバムの5曲目に収録されています。
2010年ともなれば、もうカバーアルバムは主流。
透明感のある歌声が魅力的なコトリンゴにとって、時代の波にも乗っかって幅広い世代の人に聴いてもらうきっかけになった1枚ではないでしょうか。
そして、この「悲しくてやりきれない」のカバーは、このアルバムだけでなく、さらに時代を越えて再びカバーされることとなりました。
映画『この世界の片隅に』OP曲に起用!
それは、2016年に公開されたアニメ映画「この世界の片隅に」のOP(オープニング)曲への起用です。
これは、前述したカバーアルバムからの起用ではなく、この映画用に2016年バージョンとして新しくアレンジが行なわれました。
さらには、新しく生まれ変わった「悲しくてやりきれない」のカバーだけでなく、映画の音楽も合わせて担当しています。
この映画の監督は、片渕須直監督。
実は、この片渕監督とコトリンゴがタッグを組むのは、この映画が初めてではありません。
前作である「マイマイ新子と千年の魔法」の主題歌もコトリンゴが担当しており、今回の起用には、この縁が絡んでいます。
このように、コトリンゴが音楽を担当した理由は判明しました。
しかし、気になるのは、戦時中の広島の様子を描いた内容の映画に、なぜ「悲しくてやりきれない」が起用されたのかということです。
これには、一体どのような理由があるのでしょうか?