諦めずに時期を待ち続ける

時間が解決することもある

壊せない壁なら そっと寄り添って待てば
きっと 世界は 形を変えてく

出典: delete/作詞:マオ 作曲:御恵明希

生きていく中で、様々な壁にぶつかることがあります。

一般的には壁を壊して進んだり、乗り越えるために努力するのでしょう。

小説や歌詞でも、そういった表現をしているものは多くあります。

しかし、ここでは変わった表現がされています。

周りの状況が変わるまで、ひたすら待ち続けるのです。

すぐに壁が攻略できなくても、焦る必要はありません。

時間が解決してくれるという場合もあります。

しかし、ただ待っているだけではいけません。

時間がかかっても、諦めない気持ちを持ち続けることが大切なのです。

マオの経験を思わせる歌詞

シドのボーカルのマオは、2014年にメニエール病声帯ポリープを患いました。

2013年の初頭に、メニエール病と思われる症状が出るようになり、目眩も酷くなっていったが、本人はそれを隠して活動を続けていた。
しかし、2014年年明けすぐに病院に行き、正式にメニエール病と診断を受けていた。
さらに、ポリープがあることも分かった為、悩んだ末に両方を完治する治療法に乗り出した。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/マオ_(シド)

どちらもバンド活動を続けるうえで、大きな問題だったはずです。

特に、声帯ポリープは声質に影響を与えます。

ボーカルにとっては致命的な経験でしょう。

ポリープの切除後に、確かに音域には変化があったようです。

しかし、変化した歌声と向き合うことで現在も変わらず活躍しています。

壁を乗り越えずに待つという珍しい表現は、この経験も元になっているのかもしれません。

色々な経験を積んできたからこそ書くことのできる歌詞なのではないでしょうか。

目に映るものの変化

曲が進むにつれて、過去を思い出して不安そうな様子だったキミにも変化が訪れます。

2人で歩んできた過去

遠くを見つめる キミの瞳は
優しげに 罪を描き 微笑んだ

出典: delete/作詞:マオ 作曲:御恵明希

ここでも過去を思い出しているようですが、もう不安な様子はありません。

そんなこともあったなと、懐かしく思い出しているようです。

この変化には、長い時間を一緒に過ごしてきた相手の存在が大きいのでしょう。

辛い時間も、2人で一緒に歩んできたのです。

過去の思い出は、2人の思い出でもあります。

いつも隣にいる存在

遠くを見つめる キミの瞳は
優しげに ボクを描き 微笑んだ

出典: delete/作詞:マオ 作曲:御恵明希

最後のパートでは、キミの目にはハッキリとボクが映っています。

もう過去を振り返ってはいません。

隣にいるキミと向かう未来へと、思いを馳せているのでしょう。

キミにとってボクは、いつも隣にいてくれる存在なのです。

永遠に繰り返す生まれ変わりの中でも、ずっと一緒にいます。

また、ボクにとってもキミは大切な存在です。

隣にキミがいるからこそ、諦めずに前へ進む方法を探し続けられます。

お互いを必要とするキミとボクの関係も、運命的なものなのでしょう。

キャッチーでロックな疾走感