【生きる】とはどんな曲?

大注目を浴びた4コマ漫画のテーマソング

いきものがかり【生きる】歌詞の意味を解釈!僕はどこへ行くのか?君と離れ離れにならなきゃいけない訳はの画像

老若男女幅広い層から人気を得ている【いきものがかり】。

そんな彼女たちが2020年3月20日に6枚目の配信限定シングルとして【生きる】をリリースしました。

この楽曲はTwitterで大きな反響と注目を集めた4コマ漫画と深い関係を持っています。

それがイラストレーター兼漫画家の「きくちゆうき」が制作した「100日後に死ぬワニ」という4コマ漫画。

」という繊細なテーマを題材にして作られ、100日間に渡り投稿され続けました。

そして【生きる】は 「100日後に死ぬワニ」のために書き下ろされた楽曲です。

これから歌詞の意味を読み解きながら解釈していきます!

タイトルから読み取れる想い

タイトルは【生きる】。

この単語からは正反対の「死」という言葉も強く連想させます。

誰しもが避けて通ることはできない永遠のテーマが「生と死」です。

誰かが生まれ、そして誰かが亡くなっていく。そうして世界は回っていきます。

抗うことのできない自然の摂理だからこそ、人は必ず向き合わなければいけないのです。

「生きる」とはどういうことなのか。

そして彼が人生の終わりを迎えてしまってから何を想い、何を感じていたのか。

この楽曲には漫画のストーリーともリンクした主人公の想いが綴られているのです。

当たり前のよう巡っていく季節

いつだって綺麗なものは心を満たす

もうすぐ 春だね
さくらは 咲くかな

出典: 生きる/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹

「100日後に死ぬワニ」の主人公「ワニくん」は桜が満開に咲いた季節に亡くなってしまいます。

そして時が流れ、彼が亡くなってしまった春から次の春を迎えたようです。

どれだけ悲しいことがあっても美しい桜は必ず咲き誇ります。

艶やかで美しい桜の花。人は綺麗な情景を見た時に感動したり、癒されたりするのです。

彼が望むのは桜の花でみんなが宴を開いたり、楽しそうに騒いでいる様子ではないでしょうか。

亡くなってしまっても想うのは大事な友達や家族のことなのです。

幸せに暮らしているのか。元気にやっているのか。楽しんでいるのか。

彼の幸福は残された大切な人たちが幸せに過ごしていることでしょう。

だからこそ綺麗な桜が咲くことを望み、春が待ち遠しかったのです。

主人公の優しい想い、そして美しい光景が人の心を癒し晴れやかにするのだと、この歌詞からは伝わってきました。

止めどなく溢れる叶わない願い

君の笑顔 思い浮かべたら
なぜかな 泣けてきたよ

出典: 生きる/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹

もうくだらない話で笑い合うことも、ふざけあって遊ぶことも叶いません。

頭の中に思い出すのは、楽しくてキラキラしていた何気ない日常です。

他愛もない会話こそがどれだけの幸福だったのかを痛感しているのです。

幸せの中にいる時は、その幸せになかなか気づくことができません。

失ってからようやく幸福に包まれていたことに気づくことができるのです。

主人公の胸を締め付けられるような心の痛みが伝わってきます。

またみんなと笑い合いたい。桜をもう1度一緒に眺めたい。

叶うことのない願いばかりが頭の中を埋め尽くし、彼の心に深く侵食していくのです。

この歌詞からは近すぎる幸せに気づくことの難しさ。

そして主人公の切ない心情を読み取ることができます。

「死」がもたらす恐ろしさ

いつの間にか 朝が来てた
雨上がりは気持ちいいな
読みかけの本がある
でもしまわなくちゃ
僕はいくから ひとりで

出典: 生きる/作詞:水野良樹 作曲:水野良樹

いつも通りの変哲のない毎日。朝がきてご飯を食べて、遊んで、お風呂に入って、ベッドで眠る。

しかし亡くなってしまうということは、そのどれもがもうできなくなってしまいます。

途中まで読んでいた本でさえもう続きを読むことはできないのです。

「死」、それは時にはじわじわと迫ってきたり、時には突然訪れたりするもの。

予期せぬ事故に巻き込まれたりすると何の準備も無く、この世を離れなくてはいけないのです。

どれだけやりかけのことがあっても、どれだけ人生にまだ悔いが残っていても。

この歌詞では「死」がどれほど恐ろしいものであるかが表現されているようでした。

亡くなってしまう時、1人でこの世を後にし黄泉の国へいかなければいけないのです。

それは寂しく、辛いことでしょう。

「死」とはそれほどまでに重く、軽んじてはいけないことなのだと伝わってくるのです。 

亡くなってしまった主人公の想い