格子戸を くぐりぬけ
見あげる 夕焼の空に
誰が歌うのか 子守唄
わたしの城下町
出典: わたしの城下町/作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃
歌の導入部分ですが、さすが安井かずみ!
たった4行で少女が住んでいる街の雰囲気を作り上げています。
この部分を聴いただけで、茜色の空が似合う美しい城下町を、誰もが思い描くでしょう。
続いてサビ前からサビに移ります。
好きだとも いえずに
歩く川のほとり
行きかう人に
なぜか目をふせながら
心は燃えてゆく
出典: わたしの城下町/作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃
初めての恋に心は激しく燃え上がっているのですが、告白もできずに一人悩んでいる姿がよくわかります。
はっきりとは書かれていませんが、好きな人と二人で歩いているようです。
そのために、恥ずかしくて顔をあげられず、うつむいたまま黙々と川のほとりを歩いているのでしょう。
好きになったのが初めての、うぶな雰囲気がたったこれだけで表されています。
このあたりが清純派のイメージにピッタリなのでしょう!
続いて2番です
家並(いえなみ)が とぎれたら
お寺の 鐘がきこえる
四季の草花が 咲き乱れ
わたしの城下町
出典: わたしの城下町/作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃
どうやら長い間二人でもくもくと歩いているようです。
結局ろくな会話もできないまま、町はずれに来てしまったことがわかりますね。
お寺の鐘は、もう家に帰る時間になってしまったことを象徴しています。
続いてサビ前からサビに移ります。
橋のたもとに ともる
灯(あかり)のように
ゆらゆらゆれる
初恋のもどかしさ
きまずく別れたの
出典: わたしの城下町/作詞:安井かずみ 作曲:平尾昌晃
川のほとりをろくに会話もないまま歩き続けてきたのですが、とうとうお別れをする場所に来てしまいました。
橋という言葉が、今まで歩いてきた一本道に、左右に分かれる道ができたことを暗示しています。
水面に揺れる灯(あかり)を不安定な乙女心に見立てるところは実にうまい!といいたいです。
最後の最後で初恋という言葉が出てきますが、そのあとすぐに気まずく分かれてしまいます。
このシーンで清純な雰囲気を一気にイメージづけているんですね!
実に計算された文章で、安井かずみの非凡な才能がうかがえます。
最後に
いかがでしたか?
何気ない歌詞のように見えますが、実は計算されつくされた内容でした。
平尾昌晃のセンスと安井かずみの才能がミックスされた完成度の高い曲だったんですね!
ちなみに、歌詞に出てくるのはどこの城下町かという疑問が当初から出ていましたが、いまだに答えはありません。
関係者からのコメントが一切ないためいまだに不明のままです。
さらに拍車をかけるように作詞者の安井かずみが50代で早世してしまったため、誰もわからないのです。
ただ、歌詞に出てくる格子戸は安井かずみのふるさとの京都をイメージしたものだということだけはコメントがあったようです。
まあ、年月もここまでくれば謎は謎のままでよいのかもしれませんね。
さて、最後の最後にネタバレ動画をアップしておきます。
こちらの動画は平尾昌晃のインタビューをまとめたものですので、当時の状況がよくわかりますよ!
その他にも、筆者はOTOKAKEで小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁の」と「お久しぶりね」の記事も書いていますので、デビュー後のエピソードもぜひ見てください。
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それではまたお会いしましょう!
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